「ミラノ風ドリアの写真がバンバン送られてくる(笑)」
――そんな歴史があったのか。もうこれはみんなが訊きたいことだと思うけど、元メンバーの活躍を見て嫉妬や憎しみの感情は生まれなかったの?
河野今はない。友達の活躍が嬉しいよ。
――そこからもちょいちょいメンバー変更はあったと思うけど、歴代の曲でヤスくん以外が作詞作曲した曲ってあるの?
河野一曲もない。それは信念。作詞作曲はボーカルがするものだと思ってるから。
――なるほどね。でも、今回のアルバムの中でも特に作詞の成長というか変化が見られるよね。昔だったら「エクスペリメント」みたいな曲は書かないでしょ?
河野ああ、それはある。たださ、俺は言葉が強いのか一箇所しか見られない。 “サイゼでミラノしか頼まぬ奴に否定される日々を何度越えてきた” って書いたら、お客さんからミラノ風ドリアの写真がバンバン送られてくる(笑)。
――あー(笑)。余白をわかってくれてないね(笑)。むしろヤスくんミラノ風ドリア好きだもんね!
河野むしろ食い過ぎて飽きてるぐらいだわ!!! 「東京ポータビリティー」もみんながやってることを真似てる中身のない音楽に対する警告の意味なのに! そしてリスナーへの警告でもあるぞと! ”下北系とか笑わせんなよ” の部分も下北系をディスってるわけじゃない! 本当に好きかと! 普段はサッカー見ないくせにW杯だけ盛り上がってんじゃないよと!!!
――そうだよね(笑)。andymoriもクリープハイプも好きなのにと!
河野そういうこと!
――まぁ、このインタビューは楽曲への理解度を高める役割もするから。大丈夫!
河野だといいな!
「東京ポータビリティー」PV制作秘話
――じゃあせっかくだから「東京ポータビリティー」のPV制作の話なんかも聞こうかな。それこそ歌詞の通りアンチとオマージュとでごっちゃごちゃだよね! あれどこで撮ったの?
河野まんまandymoriの「everything is my guitar」だもんね(笑)。あれは六本木のスタジオで撮った。全面白塗りで土足厳禁で傷一つ付けたら50万円の罰金プラス翌日以降の営業保証の金額を支払うっていう誓約書に名前書かされて。全ての機材にガムテープ敷いて慎重に運んだ。もうこれは絶対一発撮りにするしかないぞと! それで始めたんだけど最初のシンバルが4回鳴った瞬間にどうでもよくなってた(笑)。
一同(爆笑)
河野もう、うわーってなっちゃってマイクスタンドとかブン回して叩きつけたけど、そこ映ってねーの(笑)。
――えっ! じゃあ50万払ったの?
河野そこは書かないようにしておこう。そっちの方が面白い(笑)。