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 新世界リチウムが初のフルアルバム『新世界リチウム』を9月3日にリリース。本作では、プロデューサーにCocco、GRAPEVINE、くるり等を手がける根岸孝旨氏を迎え、よりシンプルに、しかし幅広い手段で自分たちらしさを発揮することに成功した。

 ときどき乱暴なくらい感情的で、自分に嘘がつけないくらい不器用な彼らが、自信も不安も愛情も苛立ちも全部ありのまま表現した人間味溢れる音楽。それを普遍性のあるメロディに乗せるからこそ、おもしろみがあり共感を得られるのだろう。

 ドラムとベースによるツインボーカルにロックスター的ギターという、個性的なスタイルの3人が完成させた現時点での集大成。その実態にフォーカスしながら、”新世界リチウム”というバンドのヒューマニティに触れることができたインタビューをお届け。

[メンバー] 千葉龍太郎(Ba/Vo)石川慧(Dr/Vo)松野康平(Gt/Cho)
[取材・文] 松井恵梨菜
[写真] 鈴木“もぐら”悠太郎

余計なことをやらないほうが伝わるんだ

新世界リチウム

――「今度フルアルバムを出すよ」って最初に聞いたのが、2マンシリーズ(“2012年2、4、6、8、10、12月第2日曜日に吉祥寺WARPで2マン”)をやっていた頃だったと思うんですよ。実際に、この頃は新曲を次々と披露してましたよね。でも、それから2年を経てようやくリリース。あえてちょっと寝かせていた印象があるんですけど、何か意図はあるんですか?

千葉制作に向けて動いていったなかで、ただなんとなく、“まだフルアルバムを出すタイミングじゃないんじゃない?”っていう気持ちがあったんだよね。

――それが、これなら出せるって思ったきっかけは?

千葉去年1年の間に、会場限定シングルを出して、ワンマンもやれた。それでとりあえず、フルアルバムを出すまでにやらなければいけないことをひとしきりやれたからかな。あと、制作に第3者を入れたくてずっと迷ってたんだけど、その環境が整って、ようやく作れるなって思ったのはあったね。

――その第3者である、プロデューサーの根岸さんが加わることによる手ごたえはどうでした?

石川根岸さんは、3人で話しても出せなかった答えをポロッと出してくれる。今までは意外とやりすぎていたみたいで、余計なことをやらないほうが伝わるんだっていうことを教えてもらいました。持っているものだけで、これまで以上に伝えられるようになった。

――じゃあ、バンドのことをすごく理解してやってもらえたんですね。

千葉俺はバンドをというよりは、個人個人を理解してもらえた気がしてる。松野、石川、千葉っていう3人が、各々どういう人間で、どういうミュージシャンで、どういう表現をしたいのかを根岸さんがすぐにわかってくれた。

自分にとって最強なものを作り出してるだけ

――あるインタビューで、メンバーの中でいちばん根岸さんのサウンドを聴いて育ってきたのが千葉さんだと言ってましたけど、具体的にはどのアーティストを?

千葉俺の世代でバンドやってる奴らって、学生の頃はCocco派か椎名林檎派かで分かれてたんですよ。俺は最初どっちつかずだったんだけど、Cocco派の奴らと仲が良かったの。その影響で、いちばんよくコピーをしていたのがCoccoだった。だから、根岸さんのサウンドは信頼できる。曲を聴くときも、他人の曲を弾いてるときも、安心できる感覚がいちばん大きいから。「どっち派だ」みたいなの、なかった?

石川慧(Dr/Vo)

石川うん、歌姫の中だったらね。

――新世界リチウムの曲って、メロディがすごく良いですよね。90年代のJ-POPに多かった、たくさんの人の心に残るようなメロディだと思うんですよ。

石川俺は、曲を作るときに難しいことは考えていないんです。多分、俺が聴いてきた音楽が頭の中でごちゃ混ぜになって、自分にとって最強なものを作り出してるだけ。メロディ自体はマイナー調というか、哀愁のあるものが好きですね。

千葉よく聴いてきた音楽が2000年より前のもので、特に90年代ってすごく良い音楽がたくさんあったと思う。そういう、良質なものをいっぱい食べてきたから、自然とその影響が出てくるし、聴いてきた音楽は間違いなかったんだなっていう感覚はすごくある。俺は自分のバンドの曲が、曲としてはマジでいちばん良いと思ってるから。

――曲やメロディの良さに重心を置きつつも、ギターがテクニカルで、要所要所でグッと前に出てくるのもまたおもしろいですよね。松野さんのギターがいちばん、このバンドをロックにしているなと思います。

松野わ、うれしい! 良いこと言いますね!(笑)

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松井 恵梨菜
  • 松井 恵梨菜
本業である音楽関係の雑誌編集に忙殺されながらも、ライターを目指して勉強中。"ETERNAL ROCK CITY.2012"オフィシャルライターなどの経験あり。難しい評論ではなく、心に伝わる文章が書けるようになりたいです。通称"ぴよ"。
  • 鈴木 "もぐら" 悠太郎
1986年 神奈川県生まれ 通称"もぐら"
ライブハウスでの撮影をはじめ、2013年にはFUJI ROCK FESTIVALや朝霧JAMといった大型フェスの撮影も担当するなど活躍の場を広げている。またライブや音楽イベントのみならず、風景やポートレートなど幅広く撮影中。