7月20日、満員の渋谷clubasiaにて行ったツアーファイナル・ワンマンライブ“Little crown #1”を大成功に納めたsumika。彼らが6月に2作連続で発売したシングルの中には、sumikaの前身バンドであるbanbi時代の楽曲「未来」が収録され、ライブでも披露するようになった。ファンを驚かせる大胆な挑戦、そこに込められた彼らの意思とは――。そのフロントマン片岡健太(Vo/Gt)に憧れ、同時に嫉妬するというクロマティーゆうやが彼の胸中に迫る。
[メンバー] | 片岡健太 (Vo/Gt) |
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[取材・文] | クロマティーゆうや |
[写真] | 鈴木“もぐら”悠太郎 |
ピュアな童心をお酒なんかで汚しちゃいけない
――健太くんという人間を語るうえで欠かせないエピソードがあって、何かのタイミングで「健太くん! この日飲みに行きましょうよ!」って言ったら、「ごめん! その日は仲間と机を作るんだ! わりぃ!」って言われたのね。そのとき、「あー、この人のピュアな童心をお酒なんかで汚しちゃいけないな」って思った(笑)。
一同(感心)
片岡いや、あの日はたまたまだよ!(笑)ちょっと作業机を一から作ろうってなってて。
――DIY精神だ。効率とか上がるんすか?
片岡超上がった!! もう自分の欲しいところに穴あけてさ、配線とかきれいにまとめてってね。
banbiの頃とは違う着地点
――6月にリリースした、『Dress farm #1』と『Dress farm #2』。この2枚のシングルはどういう基準で収録曲を選んだんですか?
片岡定期的に選曲会議はやっていて、価格設定自由っていうのだけは先に決まってたんだけど、実はミニアルバムにしようかっていう案もあったんだ。でも、伝えるタイミングをひとつでも多くしたいし、CDを出して、ツアーして、ファイナルをやって終わりっていう感じで風化させたくなかった。一度CDを出して、それからライブしてる最中にまた次のCDの話ができて、また更にCD出してってやれば、伝える機会というか、口実が増えるかなと思ったんだ。
――『Dress farm #2』の2曲目にはbanbi時代の曲が入ってますね。
片岡sumikaを始動するときから、banbiの曲をやるかどうかっていうのはずっと話し合ってたんだ。でも、普段の30分のステージでbanbiの曲をやっちゃうと、新しいモノを表現するための時間が足りない。だから、sumikaというものを確立させてからじゃないとbanbiの曲はやれないと思った。やっぱり名前を変えてまで新しいモノをやるって決めたのに、sumikaの表現から始められないと、それはbanbiの延長線でしかないからね。
――でも、なんでbanbi時代にCDになっている「未来」を選んだんですか?
片岡sumikaでやったらbanbiの頃とは違う着地点になるっていう自信があったから。だから「未来」をsumikaの代表曲って言われるくらいにしたかった。