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最終的な目標は、面白いことをやり続けること

――2015年の10月に現編成になったわけですが、活動のペースが少し鈍ってきていますよね。

Dr.Usui特にベースの大内雷電(ライディーン)くんが科楽特奏隊やTHE 夏の魔物の活動で忙しくて、スケジュール調整が大変なんですよね……なので、そろそろ事件を起こさないといけないなと思っています。

平野基本的に、何かあったらメンバーを増やすという劇薬を使って切り抜けてきたので(笑)。

――この話の流れで「事件を起こさなければ」となるのが本当に(M)otocompoらしいですね。さて、初期の(M)otocompoのライブはどちらかというとライブよりショウに近いものだったと思います。しかしメンバー編成が変わり生演奏の楽器が増えたことで、いわゆる「ライブバンド」に近づいていくのかなと考えていました。スカとエレクトロの融合というのは、つまりフィジカルとデジタルの融合でもあるし、編成が変わったことでさまざまなバランスが変化していますよね。舵取りが相当難しいのではないかと思うのですが。

平野初期と現在ではバンドの編成も状態も違いますから、難しくなっているところは確かにあります。でも逆に考えると、デジタルとフィジカルを往き来できるというのは、ほかのバンドにないアドバンテージだと思います。

Dr.Usuiその部分がもっと鮮明になるようにやっていきたいね。最近の(M)otocompoは、メンバーのなかで一番年齢が離れている僕ときのこくんがようやく打ち解けてきて(笑)。2人がコアになってるバンドっていうのがハッキリしてきた。この前、初めてガチのスカバンドを集めたイベントに呼んでもらったんです。主催の方に「今までスカとほかのジャンルを融合させたものはいろいろあったけど、この手があったか」と言ってもらって。もう活動始めてから5、6年経ってるんだけど(笑)。ついに純粋なスカのシーンに受け入れてもらえた。今後は活動するシーンの幅を広げていきたい。

Dr.Usui(Vo/Syn)

――Dr.Usuiは作曲家としてのキャリアが20周年ということですが、いままでの活動を振り返ると確固たる地位を築いていると言えますよね。(Dr.Usuiの作家としてのキャリアについては、宗像明将氏によるこちらのインタビューが詳しい)にも関わらず、(M)otocompoというバンドに対してそこまで精力的になれるのはなぜなんでしょうか?

Dr.Usuiこんなに面白いことをずっとやっていられるよ、ということを世の中に提示したいんです。特に若いバンドとかにわかってもらいたい。上を見るのも大事だけど、それだけじゃないよと。60歳、70歳くらいになって、もし自分がステージに上がらなくなっても、自分の手がけた面白いバンドが存在していてほしい。自分にとって、最終的な目標はそれです。あとは単純にみんなとゲラゲラ笑っていたいですよね。

(M)otocompoというバンドは「異物」である

Dr.Usui以前仙台にライブ遠征に行ったとき、ちょうど七夕まつりをやっていたんです。その道ばたで3分の曲を1曲だけやってすぐ立ち去ろう! ってゲリラライブをしたら、300人くらいの人だかりができたんです。それでちょっと焦りながら、ゲリラライブをやったすぐそばのお店のおばあちゃんに「すみません、ご迷惑おかけしました」って謝ったら「もう終わっちゃうの」って言われて。そのとき、東京で同じことしたら怒られるけど、地方でこういうことやるのは喜ばれるんだと思ったんです。なので、お店の前でゲリラライブするっていうのをやってみたいですね。

――論理が飛びましたね……(笑)。でも言われてみれば、(M)otocompoは東京という街にとっては異物みたいなものですよね。

平野きのこ(Vo/Syn)

平野一気にルールを飛び越えると怒られるんで、ちょっと片足突っ込むところからやってみて、ギリギリのところですぐやめるっていうのは気をつけてましたね。

Dr.Usuiゲリラライブとか事件を起こすとき、グレーゾーンを意識してたよね。ここまでやったらヤバいけど、ここまでならいいだろうと。違法行為は絶対しないし。それでやっていくうちに、意外といろんなことをやっても怒られないんだなと気づいた(笑)。あと、この服装がかわいらしいからっていうのはあるんじゃないかな。異様だけど怖くはないっていう。

――受け入れることはないけど「そこにいてもいいよ」みたいな状態なんですかね。

平野どこまでもストレンジャーでいいです。でも人懐っこいストレンジャーでありたい(笑)。

Dr.Usui女の子に「キモーい」とか言われても、それを肯定と捉えるからね。(M)otocompoの理想は、田舎の野外でライブしてたらおばあちゃんが軒先に出てきて喜んでくれるような、楽しいバンド。言ってしまえばチンドン屋さんですね。デジタルとフィジカルを行き来できる、現代版にアップデートされたチンドン屋さん。

――ここまで話を聞かせてもらって、ずっとわからないと思っていた(M)otocompoのことが少しわかった気がします。どこか一部分を掴もうとしたのが間違いでした。霧のように広がっていて、いろんな幅のあるバンドとして考えれば、すべてが腑に落ちます。

Dr.Usuiちょっとアイドルに似ているところもあるよね。踊っているうちにフォーメーションがどんどん変わっていって、メンバーが後ろに下がって見えなくなったり、また前に出てきたりする。グループとしてのコンセプトとかやるべきことがまずあって、自分が自分がっていうだけじゃなくて、そのために動くという。

平野そのなかで絶妙に自分を出していくっていうのはやっぱりバンドとしてのテーマですね。

――(M)otocompoがメガネ+ボーダーという衣装を揃えているのは、ニューウェーブを経由したバンド特有の匿名性を感じます。誰か入れ替わっててもわからないんじゃないかっていう。そして、メンバーがバンドのためのパーツとして存在しているような雰囲気。

Dr.Usuiでもやはりパーマネントなメンバーでやりたいという気持ちはあるんですよね。なのでメンバー募集をしようかと。Diggityで。

――え?

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いぬゆな
  • いぬゆな
千葉生まれ千葉育ち。元バンドマン。演奏するより文章書くほうが得意なことに気づき、ライターになる。漫画と音楽とサッカーのことならどんと来い。それ以外もどんと来い。一番好きなバンドはThe music。
  • 鈴木 "もぐら" 悠太郎
1986年 神奈川県生まれ 通称"もぐら"
ライブハウスでの撮影をはじめ、2013年にはFUJI ROCK FESTIVALや朝霧JAMといった大型フェスの撮影も担当するなど活躍の場を広げている。またライブや音楽イベントのみならず、風景やポートレートなど幅広く撮影中。