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同期の流し方から勉強しました

――渋谷さんが生み出す楽曲は、デモ音源の段階でどの程度作り込んでからメンバーに渡すんですか?

渋谷9割5分……9分……10割ですね(笑)。『THINK』に関してはギターソロが変わったくらいで、みんなほとんどそのまま演奏してます。アルバムのコンセプトを大事にしてるから最初から演奏固めちゃおうっていうのもあるし、みんなでやると時間掛かる作業をひとりでやっちゃおうっていうのもあります。前のバンドでは普通にリハーサルスタジオで「あーでもないこーでもない」ってやってたんで、その反省も活かして。

――フジファブリックやYUIなど、メンバーそれぞれいろんなアーティストに影響を受けているという話は伺ったのですが、渋谷さんがPerfumeに多大な影響を受けたっていうのが衝撃でした。僕みたいなおっさんからすると隔世の感があるというか。

渋谷声にオートチューンかけてるのもPerfumeの影響です。周りのバンドマン、みんな好きですよ、Perfume。

高橋Perfumeのアートワークとかも見ます。バンドが大きくなっていったら、あんなふうにやりたいって思うことはたくさんあります。今、アートワークでやりたいと思ってることの1割もできてないですから。

――バンドとアイドルで違う部分もありますが、ひとつのモデルとして影響を受けていると。

渋谷でもsui sui duckを始めたとき、同期の流し方から勉強しましたからね。「MTRっていうものがあるらしい」っていうところから(笑)。エンジニアの人に「声をケロケロにしたい」って相談したら「それはオートチューンっていうものを使ってるんだぜ」って教えてもらって(笑)。ボーカルエフェクターというものの存在も知らず、パソコンに繋ぐっていうことしか頭になくて、Macでも音楽専用機でもない普通のノーパソに繋いで力技でやってました。今「エレクトロのニューカマー」とか言ってもらえることもあるんですけど、エレクトロ初心者ですからね。

――僕は、今後の音楽シーンにおいて大きな役割を担うバンドがsui sui duckに加えてもうひとつあると思っていて、それがsui sui duckとレーベルメイトでもあるevening cinemaなんです。そのevening cinemaの原田夏樹さんが以前「インディーズシーンにはラブソングがもっとあっていいと思う」と発言していたのをネットで見かけたのですが、sui sui duckにはラブソングってないですよね?

高橋男女の歌はあるけど恋愛の歌は今のところないですね。

渋谷「out」がsui sui duckのラブソングで……というかヘイトなんですけど(笑)。恋愛に関して、男側がいちばん考えることって「なんか彼女の機嫌が悪いぞ」ってことだと思うんですよ。これはその曲で。こっちに心当たりはまったくないんだけど、向こうの体調だったり、なんだかわかんないけど最悪な空気になったときの曲です。

――「なんで怒ってるかわかる?」みたいな私クイズが始まったり。

渋谷そうそう。ふたりで海を見てとてもきれいだった……みたいなことより、なんか機嫌悪いぞって記憶のほうが残るんで。きれいな映像が5%に対して、なんか機嫌悪いぞが95%だろうと。でも直球のラブソングは書かないってことではなくて、まずCDのコンセプトがあって、そのためにラブソングが必要なら書きます。

――sui sui duckのそういうひねくれた部分をもっと掘っていきたいんですけど、実は僕「ミニマルミュージック」と呼ばれる音楽がものすごく苦手なんです。sui sui duckの音は、ジャンルとしては「ミニマルミュージック」にカテゴライズされそうではあるんだけど、全然ミニマルじゃないですよね。

渋谷じゃないんですよ。曲の展開も少ないし、コードも3つくらいしか使ってない。超シンプルなんですけど、シンプルに感じさせないってことを曲作りの段階で大切にしてます。ミニマルミュージックが苦手なのって、音が生っぽくないとか、繰り返しが多すぎるって感じちゃうからじゃないですかね。僕らは、ギター、ベース、ドラムがどんどん崩していって、ちょうどいいところに落とし込んでいこうとしてます。ギターなんて歪ませまくって、この界隈でいちばん歪んでるやつがメンバーにいますから(笑)。

――sui sui duckの曲は、基本的にイントロのリフが曲中ずっと繰り返してて、サビも1フレーズを繰り返す曲が多いのに、ずっと聴いていても飽きない。しかも、MV観ながら聴くのと、音源だけを聴くのと、ライブで聴くのと、BGMとして聴くのとで、印象がまったく変わるように感じます。

渋谷アルバムのコンセプトをしっかり決めることが生きてきてるんじゃないかなと。曲を聴き終わったとき、どんな情景が描写されるかを気にしてます。アルバムの曲順もこだわっていて、いろいろな状況で聴いてもらうのに対応したいと思っているので。

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いぬゆな
  • いぬゆな
千葉生まれ千葉育ち。元バンドマン。演奏するより文章書くほうが得意なことに気づき、ライターになる。漫画と音楽とサッカーのことならどんと来い。それ以外もどんと来い。一番好きなバンドはThe music。