東京生まれ東京育ちのオルタナティブロックバンドtoldが、前作から1年半ぶりのニューアルバム『KIERTOTIE』を12月2日にリリースした。音楽関係者、そしてバンドマンからも“次は彼らの番”と囁かれ続けながらも、マイペースで活動してきた彼らの本音と今作に迫った。
[メンバー] | 鈴木歩積(Gt/Vo)山﨑裕太(Gt/Cho)有島コレスケ(Ba/Cho)赤羽進互(Dr) |
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[取材・文] | 伊藤啓太 |
[写真] | MITCH IKEDA |
toldとは
――知り合ったのは高校の軽音部なんですよね。
鈴木そうですね、元々高校の先輩(有島、山﨑)後輩(鈴木、赤羽)で知り合って。このメンバーでバンドを始めたのは卒業後ですね。
有島それぞれがいろんなバンドで力をつけて、そして部下をいっぱい従えて、そして曹操の下に劉備とかが集まってきたみたいな感じですね。
――えーと、はい(笑)。バンド名の由来はなんですか?
山﨑結成して3本目くらいのライブでいい加減決めなければと急かされて決めました、できるだけ地味な名前にしようと(笑)。
――ではバンド名に関しては熱い思いやエピソードはないんですね。
山﨑全くないですね(笑)。
――結成当時どんな音楽聴いてましたか?
山﨑KIWIROLLとかかな。
有島SPIRAL CHORDとかブッチャーズとかかな。
鈴木SLOTH LOVE CHUNKSとか、LOSTAGEとか。
赤羽正直19、20歳だとアニソンばっか聴いてましたね(笑)。でもバンドものはみんなと同じようなバンドを聴いてました。
――音楽観はかなり近いところにあるんですね。
山﨑もちろんそれぞれ個々で聴いている音楽もありつつ、そのなかで交わっている、共有できている部分がそういった音楽という感じですかね。
――そして結成してからコンピへの参加やデモCD、she might be swimmerとのスプリットがあってシングル『TAG』、『FLAG』と続いていきますが、まずは初流通作品となったシングルをリリースすることになった経緯を伺えますでしょうか。
鈴木スプリットやデモがあったんですけどそれが完売してしまって売る音源がなくなってしまったんですよね。それでそろそろ作りましょうってなって。
山﨑それで現在の事務所のARAYA JAPANに相談して、という流れですね。
――ワンコインシングルを2ヶ月連続リリースしましたが、あれはどういったアイデアからそうなったんでしょうか。
鈴木元々3曲入りのシングルを出そうかと考えていたんですけど、ARAYA JAPANに4曲で2枚出せと言われまして。
有島出せというよりは、単発で終わるより話題を持続させるためにそのほうが面白いよってアイデアをもらった感じですね。
山﨑そのほうが楽しいよって。
――シングルが2枚続くと周囲はいよいよアルバムかという目になってくるかと思うんですが、そのあとリリースの話題は2年出ませんでした。これは意図的なものですか?
山﨑曲が貯まらなかったからじゃないですかね、純粋に。
有島何もないと曲を作らないバンドなんだってことが今回でわかった気がする(笑)。普段から曲を作ることをしない、してもその曲が消えるんですよねいつの間にか。
――どんどん曲をストックしていくタイプのバンドではない。締め切りで曲を作っていくモードにしないと作らないバンドなんですかね。
有島そうですね。そうじゃないと無理っぽいですねこのバンド(笑)。だから今回の(タイトな)スケジュールは逆に良かったですね。