キャッチーなサウンドを奏でる3シンセ+1ドラムの4ピース・バンドOrland。コミック「ハイスコアガール」のリミックス企画や東京女子流「Get The Star」、ディズニーコンピ『MORE! Electronic Disney Music』にリミキサーとして参加、Negiccoの楽曲「パジャマ・パーティー・ナイト」ではアレンジを手がけるなど、バンドの枠にとどまらない活動が話題だ。3台のシンセをトライアングルで囲み、時にトークボックス(楽器の音に人が喋っているようなイントネーションを加えるエフェクターの一種)を使用するライブスタイルは異彩を放っている。
そんな彼らが10月3日に3rd EP『LUV CONNECTION E.P.』を発売。4組のゲストボーカルNegicco、あきお、仮谷せいら、綿めぐみを迎え、自身初の日本語歌詞にも挑んだコラボEPは、ボーカリスト一人ひとりの歌声にマッチしたサウンドが印象的で、愛が溢れた作品になっている。今回はレーベルメイトgive me walletsとの同時リリースということで、両アーティストにメールインタビューを行った。ゲストボーカルとの出会いや、今作を制作するにあたっての募る思いを語る。
[メンバー] | 大迫佑磨(Vo/Talkbox/Syn) |
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[取材・文] | 本木美奈 |
「これはNegiccoに歌ってもらいたい!」
――このたびは『LUV CONNECTION E.P.』のリリースおめでとうございます。今回は5曲のうち4曲がゲストボーカルを迎えての作品となりましたが、なぜそのようにしようと思ったのでしょうか?
大迫ありがとうございます。ここ1、2年のライブ活動や作曲活動をしていくなかで、自然に仲良くなったり、好きになったりするアーティストが今までに増して多くなってきました。そのアーティストの方々に対して「自分だったらこういう曲を書きたい」、とか、「今まで作った曲で、このアーティストに歌ってもらいたい」って気持ちが大きくなってきたことがこのような作品にしようと思ったきっかけです。
――ジャケット写真もシンプルで、タイトルがコッソリと入ってる感じがすごくツボです。こちらのデザインを担当した水谷慎吾さん(HABANERO POSSE / PUMP!)との出会いや、今作のデザインを担当するにあたってのきっかけを教えてください。
大迫水谷さんとの出会いは、たぶん(確か)なんですけど、Orlandの活動を進めていくなかで関口さん(PUMP!)が知り合いになって、ライブにも何度か足を運んでいただけるようになり、そこで初めて出会った記憶があります。水谷さんはせいらちゃんのデザインとかやっていて、のちにPUMP!にメンバーとして所属するのですが、よく話すようになったのはそこからですね。とてもおしゃれでNIKEが好きな方です。本作のジャケットは水谷さん主導でデザインしていただきました。自分たちからは「1st、2ndのEPのデザインも意識しつつ、かつシンプルで」ってお願いしました。あまりチャラチャラしない感じでって。
――『LUV CONNECTION E.P.』の楽曲についてうかがいたいと思います。1曲目の「Do-De-Da ~Trimondo Negimina~ feat.Negicco」の制作はいつから始めましたか?
大迫1年くらい前ですかね。「いついつリリースのCDに向けての曲を、この時期から書こう」と目標を立てて音源制作するのではなく、日常的に書きためた曲の中から選ぶようにしているため、制作開始時期は明確ではないですが。
――Negiccoさんと出会ったきっかけ、また今作への参加の経緯など教えてください。
大迫出会ったきっかけは、新宿LOFTで開催されたTOWER RECORDSさんの15周年のパーティだったと思います。そこでtofubeatsくんが作曲したNegiccoの楽曲「相思相愛」をOrland×Negiccoでコラボさせてもらいました。もともとフィーチャーするならNegiccoとやりたいって気持ちがあったのと、自分が持っている曲の中で「これはNegiccoに歌ってもらいたい!」と強く思う曲があったので、本作への参加をお願いしました。
――「パジャマ・パーティー・ナイト」に出てくる三人を意識した歌詞になっているそうですが、作詞の担当は仮谷せいらさんですね。歌詞のイメージはOrlandさんが先に考えてお願いしたのですか? もしくはサウンドから歌詞を想像してもらったのでしょうか?
大迫サウンドから歌詞を想像してもらいました。“完璧な答え”のような素晴らしい歌詞になってて、出来上がった歌詞を見たときには感動しました。
――ティザー映像のほうは何度も見返してしまうくらいに多幸感が溢れていていました。なぜ収録のシーンにされたのですか? また撮影でのエピソードや裏話などはあればお聞かせください。
大迫マライア・キャリーとBOYZ II MENのスタジオでのMV「One Sweet Day」がもともと好きだったんですよ。アーティストとアーティストが何やら楽しそうにやってたり、その2アーティストの関係性とか空気感とかが伝わったりして、その動画を見ていて楽しくなったり、幸せな気持ちになったりするところがいいんですよね。でも今話したスタジオでの動画は、やろうとしたら一緒にやるほかのアーティストがいて成立するものなので今回はまさにいい機会だと思い、というよりこの機会以外ないなと思い、収録のシーンを映像にさせてもらいました。裏話……あのティザー映像を撮ったのは東京のスタジオでして、自分たちは名古屋から向かったので何かお土産買っていこうと思っていましたが、名古屋のお土産を買い忘れたので東京で「東京バナナ」を買って持っていきました。それでもNegiccoのみんなや撮影クルーの方々がすごい喜んでくれて、みんな優しいなと思いました。