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「今のtonetoneはこういうものが作れるんだ」っていうのを伝えたい

――では3曲目の「きらきら」に関して、弾き語りを含めても初の音源化となりますが、今作に選んだ理由は何でしょうか?

アルバムに入れる候補の曲はたくさんあったんですけど、そのなかでも「今のtonetoneはこういうものが作れるんだ」っていうのを伝えたいと思って選曲しました。田中さんがtonetoneでサポートしてくれることになってから、初めて「告白」と「きらきら」を一緒に作ったんです。その際にメンバー全員で今までの曲よりクオリティがはるかに上がっている自信を共有できていて、もっとお客さんに人気のある「ひかり」や「shell」を入れるか迷ったんですけど、ミュージシャンとして成長した一面を見せたいというエゴを通してこの選曲になりました。

――「きらきら」の歌詞も日常的ですが、思い立ってからすぐに書けましたか?

「きらきら」はすごい悩んで書いた曲ですね。この曲の主人公は大切な人との暮らしを守るために社会や他人に心を差し出すんですが、僕はこんな経験したことないし、こういった内容の歌を歌っていいのかなって思って1回ボツにしたんですよね。でも、大切な誰かのために身を削って生きているのは一緒だなって気付いて、やっぱり歌いたいって思ったんですよ。大人になると自分が周りのために身を削って同調しなきゃいけないじゃないですか。それで自分という“個”がなくなっていくのはすごい寂しいことだと思うんです。でも君さえいれば僕は僕なんだって気付ける、「じゃぁ君さえいれば幸せな生活なんだね」ってことを歌っている曲ですね。

――設定は自分と離れているけど、歌詞の内面としては自分に近いことを歌っているんですね。

そうですね。「誰かのために身を削って生きたいな」っていう歌です。

――「告白」も弾き語りで演奏していましたが、これはどういう気持ちを込めた曲ですか?

これは今まで作ったラブソングのなかでも特に好きな歌詞のものなのですが、今までの辛かった失恋はこの人と会うために必要な経験だったんだ、あの辛い日々があったからこそ君に見合う男に成長できたんだ、そんな君とやっと結ばれたんだから「一生君を幸せにするよ」という覚悟を決めた。という曲ですね。

――では、最後に入っている「悪者」は1年前の『永遠の人.ep』にも入っていましたが、レコーディングし直してパワーアップした手ごたえはありますか?

ありますね。『永遠の人.ep』は初ライブのために作ったもので、アンプを通さないで直接パソコンにつないで録ったんですよ。ドラムはちゃんと録りましたけど。でも、今回はきちんと1年間鍛え上げて、きちんとレコーディングして録った音源なんで、やっぱり比べると成長が見えますね。

同じ歌詞でもその時々の心境を込めて歌える

――「悪者」は歌詞を書いてから1年以上経ってますが、レコーディングし直したときは当時と変わらない気持ちで歌えましたか?

僕が思うに、歌って同じ歌詞でも違う気持ちを込めて歌えるんですよね。例えば昔書いた「アンデルセン公園で待ってるよ」という曲を今歌うときは、書いたときと違うことを考えてます。そのころ僕は不幸じゃないと曲が書けなかったんですよ。でも大学で始めて彼女ができてすごい幸せだったんで、「もしこの人に振られたら、どういうことを感じるんだろう」って妄想して書いたんです。書いたときは「振られたら悲しいなぁ」って思って歌って、実際にそのあと振られたから「君がいなくて死ぬほど悲しい」って思って歌って……。

――では、「悪者」も今は書いたときとは違う気持ちで歌っているということですか?

そうですね、「悪者」で今思い描いてる女性像は昔の女性像とはぜんぜん違います。昔は「僕は君という人がいながら違う人を好きになった馬鹿やろうだ!」とかそういう気持ちで歌ってたんですが、今は「永久に続くものはないけど、お互いいつまでも覚えてはいるんだろうね」みたいな、けっこう大人な心持ちで歌えてますね。

――なぜ改めて今作にも収録しようと思ったのでしょうか?

本当は4曲入りにしようと思ってたんですよ。でも、5曲録ったらお客さんも喜んでくれるんだから入れようと思って、『永遠の人.ep』から1曲持ってくることになったんです。「天使じゃない」も「永遠の人」も好きなんですけど、tonetoneのなかでいちばんのキラーチューンは「悪者」だと思うし、お客さんが喜ぶのはこれかなって思って選びました。

――リスナーも共感できる歌詞が多いと思うんですが、歌詞を書くときに共感されることを意識していますか?

田村友昌(Vo/Gt)

みんな経験したことが違くても、僕が本当に感じたことを歌えば感動してくれると思って書いていますね。人間って根本的にはみんな一緒だと思うんですよ(笑)。自分が経験したことないことでも、根っこが一緒だから「あぁ、私もそういうベクトルの悲しみ味わったよ」って共有できたり、逆に「私もそういう幸せなことあったよ」って共感してくれるのかなと思ってます。

――では、特別意識して書いているわけではないんですね。

うーん、でも言葉遊びでは「こういう風に遊んだらお客さんが面白がってくれるかな」っていうのは考えます。例えば「春花」だと2番のAメロで“勘違いしているうざい客が タラタラ説教垂れている 道徳がどうとか言いますが 小学6年を通して学んでるわ”っていうところ。あぁいう疾走系ギターロックにない歌詞をぶち込めたのは僕的にはすごい快感でした。しかも「小学6年を通して学んでるわーーーー!!」つって、Cメロに行くギャグっぽい感じもすごい好きです。コミカルだけど、ちょっとありえそうじゃないですか。

――先ほど、想像で「春花」を書いたと言ってましたが、これからもそういった曲を書きたいという気持ちはありますか?

あぁ、ありますね。今もちょこちょこ書いてます。今は歌詞書いたあとに「俺の気持ちラッピングできた最高!」って思うのに対して、昔の曲は読み返して「なんて素敵な世界観なんだろう」って浸れる快感があるんです。またそういう妄想の曲が書けるようになったんで、違うベクトルの曲を作って違う快感を味わうために書いてますね。

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カタニワ
  • カタニワ
自由人。邦楽ロックとポップが好き。他にもなんでも聴いてみること、広く視野を持つことを心がけてます。音楽の他にも写真、アート、食、様々な東京カルチャーに興味を持っています。曲やライブの中にあるアーティストらしさを引き出して、沢山の人と共有できる文章を書きたいです。ただいま勉強中。
  • 鈴木 "もぐら" 悠太郎
1986年 神奈川県生まれ 通称"もぐら"
ライブハウスでの撮影をはじめ、2013年にはFUJI ROCK FESTIVALや朝霧JAMといった大型フェスの撮影も担当するなど活躍の場を広げている。またライブや音楽イベントのみならず、風景やポートレートなど幅広く撮影中。