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“引っかかれ”じゃなくて“刺され”

――ほかにも、ライブパフォーマンスではメンバー全員が人形のように止まる演出もありますよね。あれはどうして始めたんですか?

さわいスタジオで練習しているときのノリで、「曲的に、このあと一瞬空くよな」ってなって、「もっとガッツリ空けてみてメンバー全員止まってみたらどう?」って。それでライブで試したらめちゃくちゃウケたんです。アリなんかなって。いまどきやってる人もいないし、知らない人が観てもあれだけで注目してくれる。ひとつの取っ掛かりかなって思いました。

――今作のタイトル『DIE SUKI』の意味も含めて、今作のコンセプトを教えてください。

さわいコンセプトは「愛しすぎるが故に憎い」です。僕、バンドが大好きなんですよ。中学校ぐらいに銀杏BOYZを初めて聴いて、そっからアホみたいにいろんな音楽を聴いてバンドを漁りまくって……。バンドが本当に好きで……好きすぎると見たくないものが見えちゃう。僕なりの感覚、「好きすぎて憎い」みたいな愛憎まみえた作品なんです。

――自分自身の“バンド愛”を注ぎ込んだということですか?

さわい僕にとっては“バンド愛”、ほかの人にとっては別の愛と憎しみがあるはず。愛と憎(ぞう)って繋がっているものだと思ってるんです。日常にいくらでも転がってる事象だと思うんですよ。それに気付けたら、みんなもっと吹っ切れるのになぁって思います。全曲に関して、そう思って作りました。

――愛憎といえば、今作の2曲目に収録されている「NO SHIKO(DIE ver.)」は戦争をテーマにしていますよね。戦争にインスパイアされて曲を作ることも多いんですか?

さわいそうですね。戦争って究極の状態じゃないですか。特に僕らは戦争を経験したことがないので、想像力に頼るか、書物を読んで自分に置き換えて想像することしかできないですけど……。「NO SHIKO」は第3次世界大戦の歌なんですよ。核戦争前夜をイメージしていて、男と女が戦争前夜にランデブーをして、極限状態の愛を確かめ合うみたいな……。だから、「目を見て笑おう 目を見てしゃべろう 目を見て触れよう 目を見て死ぬの?」の次から戦争のシーンみたいな、ストーリーとしてはかなり悲惨な内容なんです。でも最後は、僕なりのギャグで落としたかったので「Hey人類 バイバイバイ」って。

(※前作『deronderonderon』収録Ver.)

――なるほど。

さわい下手に希望ばっかり歌いたくないんですよ。絶望の中に見る小さい希望のほうが、どうしよもないってときに絶対救いになると思います。希望しか歌ってない歌は、絶望に陥っている人が聴いたときに、本当に希望に成り得るのかって。

――「NO SHIKO」の歌詞にも「ぼくのギャグギャグギャグ 高度すぎるかな?」という歌詞がでてきますが、デロンの曲はときどきクスッとさせてくれる要素が入ってますよね。

さわい本気のトーンで「ふざけんな」とか、言ったところで伝わんない時代じゃないですか。そんなこと言われても「日々の生活でいっぱいいっぱい」って人たちばかり。僕からしたら、そういう悩みって小さすぎるって思っちゃうんですよ。いろんなことで忙しくしてる人にも、心の中にちょっとした隙間があると思う。そこに入りこむインパクトがあればいいなって思って、そういう言葉を入れてます。“引っかかれ”じゃなくて“刺され”って思ってます。

――「本気のトーンで言ったところで伝わらない時代」と言いましたが、今作の1曲目にも「451014(思考停止)」というワードが入れこまれていたり、デロンは一貫して“思考停止してしまっている現代人”に対して危機感を訴えかけていますよね?

さわい僕が言いたいのは、ラジオのチューニングを変えるみたいにいろんな見方があるよってことなんです。日常の中における価値観とか考え方に、選択肢がいっぱいあるってことが“考える”ってことなんじゃないかなって。僕らって“ゆとり世代”っていわれてて、“ゆとり教育”っていわば“呪い”じゃないですか。その烙印を自分で捺して「だからこんなことで悩んじゃうんです」って落ち着いちゃうのはおかしいと思う。そんな世界は白か黒かじゃないでしょ、もっといろんな色に溢れてるでしょって思いますし。

――つまり、同世代に向けたメッセージでもあるわけですね?

さわいそういう意味ではそう。でも、そんな啓蒙的ではないですね。もっと楽に生きれるでしょって。もっと肩肘張らずに、自分に着飾った鎧みたいな価値観を削ぎ落としていって、自分自身の芯にたどりつけたら世界が広がるんじゃないかなっていうか……。

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  • 鈴木 "もぐら" 悠太郎
1986年 神奈川県生まれ 通称"もぐら"
ライブハウスでの撮影をはじめ、2013年にはFUJI ROCK FESTIVALや朝霧JAMといった大型フェスの撮影も担当するなど活躍の場を広げている。またライブや音楽イベントのみならず、風景やポートレートなど幅広く撮影中。