田舎育ちで素朴、バイトしてお酒に失敗して……といった日々を繰り返しているような、ごくごく普通の生活を送る青年たち。だけど、頭の中で描く野望は最大級! そんな4人が遊び心全開で音楽を届けるロックバンド、NECOKICKSが4月22日(水)にベスト盤『ネコキ名人スーパーベスト』を全国に放つ。メンバーチェンジし新たな一歩を踏み出す新生NECOKICKSで既存の8曲を再録、さらに新曲2曲も加えた、“ネコキ名人”(=NECOKICKSファン)入門編の決定版だ。
かっこつかなかったら開き直ってそれを武器にしちゃえばいい。ワクワクさせてくれる輝きはあの日憧れたヒーローに負けないくらいの、無限の可能性を秘めたバンド。これから大きく駆け出していくだろう彼らがスタートダッシュを切った“今”を、ぜひたくさんの人に見届けてほしい。
[メンバー] | TAKUMI (Gt/Vo)HARA-KUN (Gt/Cho)YU-TA (Ba/Cho)KO-Ki (Dr/Driver) |
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[取材・文] | 松井恵梨菜 |
[写真] | 鈴木“もぐら”悠太郎 |
こいつらが組めばヤバいバンドができる
――オリジナルメンバーはみんな長野出身で結成は東京ということですが、「一緒に東京でバンドやろうぜ」という形で上京したんですか?
TAKUMIいや、軽い口約束でした。みんな違うバンドをやっていたので、「東京に行ったら一緒にやれたらいいね」くらいの感じで。進学がきっかけで上京したので、音楽のためにというわけではなかったです。
――元々、みなさんはどういう関係だったんですか?
TAKUMI地元の上田に、バンドをやってる高校生が週末になると集まる超小さいライブハウスがあるんです。その中で、「こいつらが組めばヤバいバンドができるんじゃないか」っていうオールスター的なメンバーで……って、自分たちで思ってただけです(笑)。
KO-Ki単純に、バンド好きな仲良い連中だったよね。
――上田のバンド好きが集まるたまり場で出会ったんですね。それぞれ影響を受けたアーティストは共通してるんですか?
TAKUMI俺は小学生のときに、誕生日プレゼントにロードオブメジャーの『ROAD OF MAJOR』を買ってもらったんですよ。それが“ザ・バンド”っていう感じでカッコよくて、バンドをやりたいなと思いました。
YU-TAバンドを始めたきっかけは、友達の姉ちゃんから借りたELLEGARDENの『Salamander』かな。そのあとは、西海岸パンクばっかり聴いて今に至ります。
HARA-KUN小学生のときに、お兄ちゃんがGLAYのコピーバンドをやってたのを見てカッコいいと思ったのが始まりでした。初めて自分で買ったCDはORANGE RANGEの『musiQ』で、それからバンドやりたいなと思って、中学生のときに家にあったギターを触るようになったんです。
KO-Ki僕はL’Arc~en~Cielとか……。
YU-TAGLAY、B’zでしょ?
KO-Kiそうですね。あとは、Mr.Childrenとか。
YU-TAなんで嘘つくんだよ(笑)。(※実際はJanne Da Arcでした)
TAKUMIあと、GREEN DAYも大好きです。お兄ちゃんにライブ映像を見せられた影響で。
一同わかる! 見せられた!(笑)
――こうして話を聞いてると、お兄ちゃんの影響って大きいんですね。
TAKUMI当時は、お兄ちゃんがやってることがいちばんカッコいいと思ってました。
HARA-KUNお兄ちゃんがヒーローだったよね。
TAKUMIお兄ちゃんが髪を染めてると、俺も高校生になったら染めたいなって思ったし、お兄ちゃんがバイトを始めると、俺もバイトしたいなって思いました。
HARA-KUNわかる、わかる! だって、お兄ちゃんが「池袋ウエストゲートパーク」観てたから俺も観てたもん。
KO-Ki俺も、ばあちゃんが「笑点」観てたから一緒に観てた。
一同おばあちゃんっ子かよ!
TAKUMINECOKICKS自体は、元々俺らが高校3年生のときに流行ってたメロコアに憧れて始めたんです。英詞で、2ビートで速くてカッコいいバンドをやろうって言って、とりあえず5曲くらい作ってたんですけど……初めて東京でスタジオに入ったとき、ダサいなと。それで、縛りなく曲を作ってみたら、日本語で、ビートが自由で、とにかくメロディが聴きやすくてっていう、今のNECOKICKSらしい曲が出来てガラッと変わりました。