MENU
1 2 3 4 5 6

アーティストは絶対リスナーより音楽を聴くべきだと思っているんです

――大野さんの楽曲でいうと「初夏のピラニア」はロンさんと大野さんの共作ですね。

ロン「初夏のピラニア」は元々サビが違うんですけど、原型は大野が持ってきました。大野の楽曲はローファイ感が強いんですよね、ルーツがローファイなところにあるから。最初バンドやろうって言った時に大野が挙げてきたフェイバリットミュージシャンもそういうアーティストが多くて。

――具体的には?

ロンクラムボンとthe band apartの川崎(Gt)さんの音がすごく好きだって言っていて。それを聞いて、“一緒にやればいずれ絶対良くなる”って思いましたね。

――ロン君と大野さんのルーツはなんとなくわかりましたが、北原さんとKouさんはどうでしょうか?

Kou僕は楽器とかやる前、中学の時とかはヴィジュアル系とメタルしか聴いてなくて。楽器を始めてから徐々に遡るようになりました。ここ数年はそのルーツとなったポストパンクとかを聴いてますね。

――グラムロックとかではないんですね。

Kouネオアコとかそっちのほうが好きで。コーラスがかかったギターを鳴らすというか。CUREとかTHE SMITHとかがツボでしたね。日本のバンドだとその辺りとはまた違うんですけど、80年代辺りにコーラスがかかったギターを推してくるバンドがいたじゃないですか、BARBEE BOYSとかBUCK-TICKとか。そういうバンドが好きですね。

――北原さんは?

北原最初に好きになったのは、テレビで観たASIAN KUNG-FU GENERATION(以下:アジカン)です。ちゃんと音楽を聴いて本当に好きになったのはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT(以下:ミッシェル)なんです。音楽ちゃんと聴くようになって、NUMBER GIRLとかオルタナに興味持ち始めて、そして色々音楽掘り返して聴いてグッときたのがミッシェルだったんですよね。男臭いバンドが好きですね(笑)。

ロンミッシェルはほんとにかっこいいね。

北原四つ打ち……また四つ打ちの話になってしまいますが、ライブに行けなかったらDVD買って観たんです。ミッシェルの曲に四つ打ちはないのに、でもみんな踊っているんですよね。だから関係ないんですよね、踊れる音楽であればそれがダンスミュージックなわけで。

ロンMILS DAVISもダンスミュージックですからね。

――こう聞いていくと皆さんのルーツはバラバラなんですね。

ロン共通で好きなのはNUMBER GIRL、アジカンですね。アジカンが影響を受けたNUMBER GIRL聴いて、NUMBER GIRLからbloodthirsty butchersを聴いて、そこからFUGAZIに繋がって。そんな感じで、やっぱ自分の好きなアーティストが何を聴いていたのかって気になるから。MINERALとかも聴き始めたし、SUNNY DAY REAL ESTATEとか。やっぱり自分の好きなアーティストのルーツを深めないと、自分たちが影響を受けているアーティストへのリスペクトを出すことが失礼だと思っているから。ルーツの消化と発展、そこからオリジナリティを出すべきだし、音楽やるうえでそれやらなかったらアーティストじゃないと思う。アーティストは絶対リスナーより音楽を聴くべきだと思っているんです、根拠はないですけどね。ただ、リスナーより浅い人間がリスナーに感銘を与えることなんてできないと思っています。なんにも聴かないでオリジナリティ出せたらすごいですけどね。

――APHEX TWINみたいな(笑)。

ロンそうですね(笑)。

みんなで合唱するような絵が見えました

――かなり話が逸れましたがアルバムの話に戻ります。「マーシャルアーツ」「夕焼けは見たくなかった」「キリコ・シンコペーション」このあたりはギターのアプローチが『カウンター』の流れを汲みつつアップデートされた楽曲が続きますね。

ロン「マーシャルアーツ」は(ゲームの)鉄拳のキャラクターでマーシャル・ローっていうマーシャルアーツ(格闘技)を使うキャラがいて。そのマーシャル・ローのステージに合う感じをイメージしました。元々僕はゲーム音楽にも影響を受けていて、前作でも出した部分を今作では鉄拳というファイティングな感じで出してみたよっていうのが「マーシャルアーツ」です。「夕焼けは見たくなかった」は元々弾き語りでやってた曲で。弾き語りで評判が良くて、バンドアレンジを聴いてみたいっていう声が多かったので入れました。「キリコ・シンコペーション」の原型は前からあって、ライブでちょっとやってたりしたんですけど。アレンジ変えたりCメロで多重コーラスを入れてみたり、実験的なことをやってみました。『カウンター』からの流れですんなり聴けるのはこの3曲かもしれないですね。

――シングルにもなっている「初夏のピラニア」、「ナチュラル」はそれぞれ新しい試みがありますね。

  • ※シングルバージョン

  • ※シングルバージョン

ロン「初夏のピラニア」はリミックスして、「ナチュラル」に関しては録り直したんです。よりコード感が歌を支えてくれるように前のシングルとは歌い回しを変えたし、メロディもライブのアレンジでやってるようにそのまま歌ったり。ライブ感を出しつつもコード感で歌を前に出すっていうことを意識して、ありがたいことにすごく評判良いです。

――そしてミディアムテンポの「対話」、前述の「カメの速さで」、最後に「エンドビールで乾杯」と続いていきます。個人的には「対話」がすごくグッときました、このアルバムで一番好きな楽曲ですね。

ロン僕もそうです。僕もこのアルバムの中で「対話」が一番気に入っています。

――やっていることはシンプルですよね。歌がまずあって、それを支えるリズムにベース、ギター。雑多な表現をすると王道のロックと言えるかもしれませんが、今までの或る感覚のファンからしてみると逆に変化球に感じるかもしれないですよね。でもこういった曲を収録できたのは確実にバンドのレベルアップがあったからで、華美な装飾がなくても或る感覚の音を提示できるようになったということでもありますよね。

ロン個人的に作りながら、みんなで合唱するような絵が見えて。

北原俺も見えた。

ロンサビで歌っているところが見えたんです。だからそのライブコミュニケーションが“対話”だと思ったんですね。“忘れない”っていう歌詞を書いているんですけど、お前たちとの対話を忘れないよって。自分たちの曲をシンガロングするっていう楽しみ方を提示したのは初めてなんですよね。もちろん自由に楽しんでくれて良いんですけど、歌いたくなったときにシンガロングできる雰囲気の曲ってなかったなって思って。

北原アンセム感があるよね。

――或る感覚の(OASISでいう)「Don’t Look Back in Anger」みたいな。

一同(笑)

1 2 3 4 5 6

この記事が気に入ったら
いいね!お願いします

最新情報をお届けします

TwitterでDiggityをフォローお願いします!

  • ツイートする!
  • ブックマークする!
  • シェアする!
伊藤 啓太
  • 伊藤 啓太
音楽好きの家庭育ちの次男。某CD屋からスタートし事務所、ライブハウス、音楽誌、流通、イベント制作と渡り歩いた業界屈指の決定力のない器用貧乏。