ゆるくふわっとした空気と裏腹に、芯が通ったフォークロックを展開しているプププランド。そんな彼らの3rd アルバム『CRY! CRY! CRY!』が12月6日(水)に発売された。今回はそれを記念して、『CRY! CRY! CRY!』のディスクレビューと、記念すべき一夜となった“プププ イン ザ ワンダーランド”のライブレポートをお届けしたい。
『CRY! CRY! CRY!』ディスクレビュー
泣いてもいいんだよ、と許してくれる世界
2nd アルバム『Wake Up & The Light My Fire』から1年以上の時を経て私たちのもとに届く『CRY! CRY! CRY!』。前作のロックン・ロール色が強かったことや“!”が3つも付いたアルバムタイトルから、今回も「泣けよ!」と熱く叫ぶロックン・ロールなのだと思っていた。しかし、その想定は180度裏切られる。もちろん、いい方向にだ。
1曲目の「きみの春になれたら」から繰り広げられるフォークミュージックは、今が2010年代であることを忘れてしまうほどにオーセンティックで優しい。ハイテクなエフェクターを駆使し同期を多用した最先端の音楽ではなく、楽器本来の音を活かすように組み立てられた音楽。それゆえなのか、初めて聴いた瞬間から音が体に溶けていくような感覚に陥った。“小細工をせずに伝える”というプププランドらしさは、遠回りをしない日本詞でも健在だ。今どき<骨の髄まで愛して>と何度も使い古されたであろう文言を歌詞にいれるバンドは、そう多くないだろう。「メトロ」や「ミスタームーンライト」などの曲を経てフォークを磨いてきた彼らだからこそ、創り上げられる音楽が間違いなくここにある。
泣きたい夜に<クライベイビー>と寄り添ってくれるプププランドが2017年にいて、本当に良かった。
リリース情報
『CRY!CRY!CRY!』
NOW ON SALE
¥2,000(税抜)
[収録曲]
01. きみの春になれたら
02. サンゴーズダウン
03. 骨まで愛して欲しいだけ
04. そして今日からもう一度
05. 知らない歌
06. Cry Cry Cry
07. ひだまり
08. スローなブギで
09. あすのせかい