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気に入った音楽にペイするっていうのは、本来あるべき姿だと思う

――路上の良さってなんだと思う?

レルレ出会いの多さかな。あとは昨今のライブハウスとの圧倒的システムの違い。まずノルマがないし、お客さん側のリスクも少ないよね。ライブハウスと違ってお金を払うわけでもないし、閉じ込められた空間でもないから帰りたいときに帰れる。逆にいつでも来れるっていうオープンな環境。だから、本当に興味を持ってくれたときにお金を使ってくれるんだよね。

――それはライブハウスだけで演奏してたら経験できなかったことかもしれないね。

レルレそうかもしれないし、願わくばライブハウスもそうなってほしいなって思う。欧米主義と思われたくないけど、イギリスのライブハウスは入場料がほとんどないわけ。バンドにもノルマはないし。まぁこれは経済が回ってるからってのもあるかもしれないけど、向こうはハコで飲食をして、その中に音楽が鳴ってる。

――「音楽」と「飲食」がちゃんと共存できているということか。

レルレ例えば、日本だと高いチャージを払ったのにも関わらず雑なお酒が出てくるとか、そういうハコが少なからず存在している。路上で音楽を演奏するっていうのは、お互いがフラットな関係でいれるから好きなんだよね。気に入った音楽にペイするっていうのは、本来あるべき姿だと思うんだ。実力が試されるというかさ。「目当てのバンドまでまだ時間あるし、しょうがないから見てやるか」っていうようななぁなぁな感じがないのがいい。興味がなきゃ帰るで全然いい。それが結果としてリアルに現れるのが路上の楽しさかな。

――話は戻るんだけど、ロンドンにはその後何度か行ってるよね? ロンドンに定期的に行こうと決めたのはどんな理由なの?

レルレ一回目に行ったのが2014年4月なんだけど、そのときにちっちゃいジャンベを腰につけて持ってたのね。で、アールズ・コート駅周辺のとあるパブに入ったらおじさんに「おい! 最高のドラマーが来たぞー」って、なんかすごい茶化されたのよ。ぶら下げてたジャンべを見たんだろうね。そうしたら奥の方にドレッドヘアーのタイ人(マスターのMee)がそれを聞いて急に「おい! 来週の木曜日空いてる? この店にドラマーがいなくてさ。ドラムセットはないんだけど買っておくから叩いてよ。」って言ってきて。そんなこと言われちゃ行くしかないなと(笑)。

――え!?(笑)。それ、実際にドラムは買ってあったの?

レルレまさかないだろ~と、思いつつも行ってみたらやっぱりなくて(笑)。カホンが置いてあったのでそれを使って演奏したよ。演奏が終わって、酒飲みながら今までの経緯を話してさ。3日後に帰国する予定だって話したら「それなら2日後にフェアレルパーティ(送迎会)しようぜ!」って言われて。正直行きたくなかったのよ(笑)。俺はタイ人ではなくイギリス人の文化に触れたいと思ってたから。したら当日の朝、Facebookで「ユージのためにドラム買ったぜ!」ってメッセージがきてて(笑)。

――タイミングが遅い(笑)。それは行くしかなくなるな……。

レルレ結局行ったんだけど、その時に「次ロンドンに来たときはウチに泊まれよ」って言ってくれて。これのお陰でロンドンでの宿代の心配がなくなったから、それがキッカケで半年に1回はロンドンに行こうって決めた。思い返すと、あのジャンべが様々な出会いを与えてくれた。今でも向こうに行くときは必ずぶら下げているよ。

――2回目に行ったのは2014年11月だよね。この時に始めてロンドンで路上ライブをしたんだよね?

レルレそう。2回目はさっき話題に出たMeeの家に泊めてもらって、初の路上ライヴ活動を行ったのだけど、演奏中にJaviっていうスペイン出身の学生に出会ってね。連絡先を交換して翌日路上セッションをしたらすっかり意気投合して、それ以降ほぼ毎日会ってた(笑)。最終的に「ウチに泊まれよ!」って言ってくれて。Javiはストックウェルっていう立地のいいところに住んでるのよ。日本でいうと明大前みたいな場所。交通の便がいいから3回目はJaviにお世話になろうってこのときに決めてた(笑)。Meeにも片っ端から世話してもらって、本当に出会いに恵まれているなって思う。

#stdrums / 「funkypiano」

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鈴木“もぐら”悠太郎
  • 鈴木“もぐら”悠太郎
1986年 神奈川県生まれ 通称”もぐら” ライブハウスでの撮影をはじめ、2013年からは「FUJI ROCK FESTIVAL」や「朝霧JAM」といった大型フェスの撮影も担当するなど活躍の場を広げている。 またライブや音楽イベントのみならず、風景やポートレートなど幅広く撮影中。