色とりどりの才能
笑って泣いてまた笑う、人生は喜怒哀楽や季節の彩りに満ちたカラフルなものだ。このアルバムを聴きながら、そんなことを思い浮かべていた。それはレインボーカラーのアートワークのせいだけではない。The xxのメンバーでもあり、プロデューサーでもあるJamie xxのソロデビューアルバム『In Colour』は、多種多様な音楽性に富んだ、彩り豊かなアルバムである。
ソウルフルな男女混成コーラスで始まる「I Kow There’s Gonna Be」はヒップホップに変化していくし、スティールパンの音色が使われた「Obvs」はトロピカル。美しく洗練された、メランコリーな世界に誘われる「Just Saying」や「Stranger In A Room」も聴くことができる。心地よい打ち込みとポップで美しいメロディ、さらにサンプリングされた会話や生活音も挟み込まれたりと、実に様々な要素がちりばめられているのだ。
The xxの音楽はミニマルで幻想的な、どちらかというとシックなモノトーンの印象であった。しかし、The xxには収まりきらなかったJamieの多面性を持つ才能や感情が、このアルバムに詰め込まれているのではないだろうか。刺激的なショッキングピンクに、哀しいコバルトブルーや怒りのレッド、穏やかなグリーン。毎日たくさんの色を感じながら生きていく。文字通り多彩なJamieの、カラフルな一枚。
ケーキ作:及川季節
リリース情報
『In Colour』
2015.06.03 ON SALE
¥2,371(税抜)
※ボーナストラック4曲、ライナーノーツ付
[収録曲]
01. Gosh
02. Sleep Sound
03. SeeSaw (featuring Romy)
04. Obvs
05. Just Saying
06. Stranger In A Room (featuring Oliver Sim)
07. Hold Tight
08. Loud Places (featuring Romy)
09. I Know There’s Gonna Be (Good Times) (featuring Young Thug & Popcaan)
10. The Rest Is Noise
11. Girl
12. Stranger In A Room (Instrumental)*
13. Loud Places (Instrumental)*
14. All Under One Roof Raving (Instrumental)*
15. All Under One Roof Raving*
*日本盤ボーナストラック