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もっと遠くへ

加藤「この場を借りて、さとちゃんとケンゴにお礼を言います。ありがとう」

鋭いギターリフが重なり、待ってましたと言わんばかりに沸き上がるフロア。最後は、deidの代表曲と言える「acty」だ。清々しいくらいの充実した表情で、高らかに楽器を鳴らすメンバー。その姿は、4人の軌跡すべてをここに置いていくかのようだった。

これで終わるはずもなく、アンコールを熱望する客席に応え、メンバーが登場。「さとちゃんはdeidの裏ドンだった」「楽屋に入ってくるときのあいさつが“こんばんは”なんすよ(笑)」といった加藤による佐藤いじりを経て、演奏されたのは「手を振る少年」。deid初期のハードコアナンバーで、緊迫感のある各パートの演奏が錯乱し、エッジの効いたシャウトがよりカオスな楽曲へと仕上げていく。

思う存分一曲やりきるも、ダブルアンコールを受け再登場。脱退するふたりから、改めてメッセージが届けられる。

佐藤(マイクにリバーブがかかる)「今日は来ていただいて、本当にありがとうございました。みなさんのおかげで7年間続けてこれました」

山本「3年半、deidで叩かせていただきました。このバンドのおかげで、またバンド頑張ろうって思えました。まこちゃん(加藤)が少年のような顔で“バンドやろうよ!”って言うから(笑)」

「最後の最後まで、このメンバーでやるのがめちゃくちゃ楽しいです」――そんな率直な感想を加藤が伝え、4人で演奏する最後の曲には、“リベンジ”ということで本日2度目の「acty」をセレクト。バンドも観客も興奮が最高潮に達し、たがが外れて会場はお祭り状態に。荒川がフロアに飛び込み、担がれたままギターを弾く場面もあれば、拳を上げながら涙を流している観客の姿もあった。各々のdeidへの想いがピークとなって溢れた瞬間だったと思う。

演奏を終えたあと、ステージに4人並んで肩を組み、山本がなぜか抱きかかえられた状態であいさつして幕を閉じた。このメンバーでのラストライブだったから感極まった部分もあったと思う。しかしそれ以上に、単純にこの日のdeidは、ロックバンドとして最高にかっこよかった。仲間と一緒にでかい音を出して重ねることの楽しさを謳歌するかのようなステージ。それは、バンド活動を通して4人で過ごしてきた時間が、いかに有意義であったかを象徴していたのだろう。

4人には、「遠くへ」で綴られた歌詞のとおり、それぞれの道でこれからも突き進んでいってほしいと願う。

“疲れ果てて歩けなくなるまで行くのさ もっと遠くへ”。

(写真:井坂 隼

[セットリスト]
1. slope
2. 遠くへ
3. バス停
4. 合言葉
5. -1cm
6. 海岸
7. リバーサイド
8. 約束
9. acty
en1. 手を振る少年
en2. acty

おまけ

例の新宿JAMフロアライブの模様。山本氏を探せ!

関連リンク

deid公式サイト

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松井 恵梨菜
  • 松井 恵梨菜
本業である音楽関係の雑誌編集に忙殺されながらも、ライターを目指して勉強中。"ETERNAL ROCK CITY.2012"オフィシャルライターなどの経験あり。難しい評論ではなく、心に伝わる文章が書けるようになりたいです。通称"ぴよ"。