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7月5日に初の全国流通盤『THINK』をリリースした、エレクトロ・ロックバンドの新鋭sui sui duck。このアヒルは、かわいい顔して獰猛だ。そのクチバシは鋭利で、おとなしく食われてやろうなんて気は毛頭ない。自主制作盤『WALK』と『RUN』を聴いたとき思った。耳馴染みがいい音の裏に隠れている正体を、自分の手で暴きたいと。そこで、まだほとんど情報が出回っていない彼らの素顔と、水面下で企てている計画に迫った。

[メンバー] 渋谷勇太(Vo/Gt)高橋一生(Art director / VJ)
[取材・文] いぬゆな

メンバーにアートワーク担当がいる面白さは、ビジュアルの精度を曲に近づけられること

――僕がsui sui duckに抱いた第一印象って、「芦田愛菜っぽさ」なんですよ。人生2周目感っていうか、最初からものすごくクレバーにやってるなと思って。簡単にバンドの歴史を教えていただけますか?

渋谷バンド人生2周目感はめっちゃありますね。前のバンドでやった失敗をsui sui duckではしないようにってことはすごく考えてました。2015年にsui sui duckを組んで、年末のオーディションに応募して、初ライブが2016年の4月。年末に自主制作の音源を作ったんですけど、その前にベースが留学することになったんですよ。「来月からデンマーク行きます」「もうこっち帰ってこなくなるかも」みたいな感じになっちゃって、慌てて高校の同級生を呼び寄せて……。

――あ、クレバーだけど順風満帆というわけではなかったんですね。

渋谷前のバンドではメンバーがなかなか固定できなくてグダグダになっちゃったので、サポートメンバーで凌ぐんじゃなく、早急に正式メンバーを決めなきゃダメだと思ったんです。

――楽曲も然ることながら、アートワークのレベルが高すぎるとも感じました。失礼ですけど、普通この規模のバンドだと、こういう写真やMVは撮れないでしょ!(笑)sui sui duckにとって高橋さんの存在はとても大きいと思うのですが。

高橋そもそも美大に入ったのが、音楽系のクリエイティブをやりたいからだったんです。それでいろんなバンドのアートワークをやったんですけど、あんまりしっくりこなくて、本格的にやりたいバンドがずっと見つからなかったんですよね。そうこうしているときに、知り合いからsui sui duckの音源を聴かせてもらったらすごく良くて。「やっと見つけた!」と思いこっちから声をかけたら、ちょうどsui sui duckもアートワークのメンバーを探しているタイミングだったんです。最初に打ち合わせしたのは2016年の5月でした。

渋谷あそこからいろんなことが本格的に動き出したよね。彼、バンドに関してのLINEのメッセージ数、俺より多いですから(笑)。

――僕は正直、アートワークやライブペインティングのメンバーがいるバンドを信用してなかったんですよ。でもsui sui duckの場合、すぐに必要性が理解できた。

高橋胡散臭いですよね。僕もそういうバンド嫌いでした(笑)。

渋谷一見「この人何やってんの?」って思う。

高橋そうそう。お前楽器やってねえだろってなるし。

渋谷ライブ観て初めてわかるのかなって気がする。実質演奏してるのと同じくらい大変ですからね。トラックメイカーがトラック流すくらいの仕事量をライブ中にやってます。

――sui sui duckのVJは作った映像をただ流すだけじゃなくて、リアルタイムに映像を操作してますよね。

高橋実はめっちゃ練習してます。ライブで使う映像素材も、今は全部実写で作ってて、全部自分で撮りに行って編集してます。

渋谷バンドのスタジオ練習のときも、VJ映像投影しながらやってますから。

高橋曲のデモが出来上がった段階で、渋谷のなかになんとなくのビジュアルイメージがあって、それをふたりで話しながら具体的に固めていく作業を一緒にやってます。だから渋谷との打ち合わせの量も僕がいちばん多くて、週6で会ってたりします。

渋谷プロデューサー的な人とやるような作業を、今はふたりで全部やってますね。

高橋メンバーにアートワーク担当がいる面白さは、ビジュアルの精度を曲に近づけられること。プロデューサーとか外側の人だと打ち合わせできない部分まで踏み込めるし、曲の卵の段階から作っていく過程を見れるんで、「その曲売るんだったらこういうアートワークがいいんじゃない?」っていう提案までできるところに魅力を感じてます。

――どこでも聞かれると思うんですが、バンド名の由来は?

渋谷前のバンドのときから、エフェクターを照らすのに東急ハンズで売ってたアヒルのライトを使ってたんです。それでオーディションに応募するためにバンド名をつけなきゃいけなくなったときに、「あ、こいつ可愛いじゃん」って思って。底面を見たら台座にsuiって書いてあるから、「こいつ、suiっていうんだ、ふーん」みたいな(笑)。

――湯婆婆みたいな感じで(笑)。

渋谷それで「sui sui duckってバンド名はどう?」って当時のメンバーに聞いて、ドラムの安達さんには「可愛すぎない?」って言われたんですけど、その意見は無視して決めました(笑)。こういうちょっと意味ありげなバンド名だと、やっぱりみんな素敵な名前の由来を考えてくれるじゃないですか。APOGEEの「アヒル」って曲から取ったとか、水面下では必死に足を動かしてるから~っていうのとか、そういう由来をあと付けしていこうかなとは思っているんですけど(笑)。

渋谷あと、ファッションブランドのMAISON KITSUNEが好きだったんで、外国語と日本語がくっついてるのとかいいな、そういう感じでバンド名つけられたらいいな、とは元々思ってました。「スイスイ」っていう日本ならではの擬音と英語のダックを組み合わせて、ちょうどいいなと。

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いぬゆな
  • いぬゆな
千葉生まれ千葉育ち。元バンドマン。演奏するより文章書くほうが得意なことに気づき、ライターになる。漫画と音楽とサッカーのことならどんと来い。それ以外もどんと来い。一番好きなバンドはThe music。