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平成のビューティフル・ロックカルテット〈クウチュウ戦〉が1st love album『愛のクウチュウ戦』をリリースした。硬派なプログレバンドとして始まり、ロックやポップ、シューゲイザーなどあらゆるものを吸収し進化を遂げてきた彼ら。Diggityでは、そんなクウチュウ戦の中心的存在であるリヨ(Vo/Gt)にインタビューを決行。今作に込めた「愛」や、「歌うこと」とは何なのか、その想いを語ってもらった。

[メンバー] リヨ(Vo/Gt)
[取材・文] カタニワ
[写真] 鈴木 悠太郎

ずっと両極端の真ん中にいたい

――1st love album『愛のクウチュウ戦』リリースおめでとうございます。まず、今作は4枚目のアルバムですが、なぜ“1st love album”と銘打っているのか? 『愛のクウチュウ戦』というタイトルにした理由も教えてください。

リヨ曲を並べたときに、共通しているのが「愛」だなと思ったんで。男女間の愛に限らず、いろんな種類の愛があるじゃないですか? 人類に対してだったり、故郷に対してだったり、いろいろシチュエーションは違うけど、今作では一貫して「愛」だなと思って。“1st love album”と言っているのは、7曲だからミニとも言えないしフルとも言えないから「love」って付けたところはあります。それに、1st love albumだから初恋のアルバムってことで。

――あらかじめ決めていたコンセプトはありましたか?

リヨいや、決めてないですね。今までも決めたことはないです。

――前作『超能力セレナーデ』から1年経ってないですが、制作はいつから始めたのでしょうか?

リヨレコーディングしたのは、去年の12月くらいですかね。曲は1年以上前からありました。12月の時点では結構揃ってましたね。

――では曲に関して、1曲目の「セクシーホモサピエンス」ですが、どうしてラップを取り入れようと思ったんですか? それによってクウチュウ戦のイメージが変わってしまうという不安はありませんでしたか?

リヨ元々RIP SLYMEとかTHA BLUE HERBとか好きでずっと聴いてたので、特にラップに抵抗はなかったし、それでイメージが変わるとかはあんまり考えてなかったですね。

――ラップをやるということは、リヨさんのなかでは自然な流れだったんですか?

リヨそうですね。ラップが流行ってるしっていう下心はあったんですけど、やっていることは全部一緒なんです。1枚目から4枚目まで、俺らなりの芯は持っているけど、わかりやすく、聞きやすくして出すってことをやってきたので。

俺、超飽き性なんですよね。次から次へと何かを取り入れていかないと飽きてくるんで。だからこれまでとやってることの流れは特に変わってないし、自然なことですね。

――今フリースタイルラップが流行ってますが、そのなかで気になってる人はいますか?

リヨ呂布カルマがやばいっていうのはありますね。フリースタイルダンジョンに出る前からずっと気になってました。

――呂布カルマさんのどういったところが好きなんですか?

リヨ呂布カルマは同じ宗教を持っていると思ってて……。

――独自な世界観がありますからね。

リヨあの人ってめっちゃナードだと思うんですよ。いかついサングラスしてるのとか、ステージに出るための武装手段じゃないですか? ああいうのって俺らとやろうとしてることは一緒だと思うんですよ。わかりやすい形で見せるんだけど、それが全部じゃないって自分でわかってる。そういうところにシンパシーを感じますね。

――この曲では、前半ではホモサピエンスの起源を歌っていて、後半では現代にも絡めていますが、そこに込めたメッセージはありますか?

リヨ俺らは何も変わってないって言ったけど、ずっと変わってることもあって。それは何かっていうと「時代」じゃないですか。最初にアルバムを出した2013年から、時代の雰囲気というか……平たく言うとポップミュージックや、売れてる音楽のパターンとかもどんどん変わっているので、そこに迎合してくっていうのはすごく自然なことですね。

あんまり独りよがりなことしたくないんですよ。Pink FloydとかKing Crimsonとか、俺の好きなアーティストも時代に合わせてちゃんと形を変えて曲を出してるし。だから、2017年のクウチュウ戦をやったってところですかね。

――それをそのまま歌詞にしたということですか?

リヨ(Vo/Gt)

リヨうん、そうですね。時代に寄り添おうっていう姿勢も見せていきたいし、ちゃんと表現するものは表現したいし。その両方が究極的に振り切れてるスタンス。

俺、めっちゃくちゃ振り切れてんですよ。“ポップスにもアートにも究極に振り切れた人がたどり着く真ん中”みたいなところにいたくて。『コンパクト』(1stミニアルバム)を出した頃から、そういう所ってずっと変わってないんですよね。

――2曲目の「ユートピア」では、日常に溢れている言葉や音が使われていていますが、どんな心境で作ったのでしょうか?

リヨそれもやっぱり、歩み寄りですね。もともとこの曲は「ディストピア」っていうタイトルをつける予定だったんです。俺、秩序に対するヘイトや、作られたマテリアルワールドに対する嫌悪感が半端なくて。

俺は外国かぶれだから、日本人の“他人行儀に接することが社会的マナーだ”みたいな感じがおかしいと思っちゃうんですよ。最初はそういうものをディスる、嫌味な気持ちを書いてたんですけど、作っているうちに俺自身が優しくなってきて。そのマテリアルワールドのなかにも頑張っている人がいるわけじゃないですか。そういう人たちが足を止めるきっかけになれたらなって思うようになって。

――もともと秩序をディスる曲のつもりだったのに、優しい曲になったっていう心境の変化はなにがあったんですか?

リヨ心境の変化っていうよりは、気分ですよね。要は、両極端の真ん中をキープしたいって言ったけど、両方に研ぎ澄まされてないと真ん中って探れないんですよ。だから心境の変化っていうよりかは、気まぐれですごい俺っぽい感じ。でも「ディストピア」って言いたくなっちゃう俺もいるし、本当は「ユートピア」って言いたい俺もいる。この曲にはその両面性がありますね。

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カタニワ
  • カタニワ
自由人。邦楽ロックとポップが好き。他にもなんでも聴いてみること、広く視野を持つことを心がけてます。音楽の他にも写真、アート、食、様々な東京カルチャーに興味を持っています。曲やライブの中にあるアーティストらしさを引き出して、沢山の人と共有できる文章を書きたいです。ただいま勉強中。
  • 鈴木 "もぐら" 悠太郎
1986年 神奈川県生まれ 通称"もぐら"
ライブハウスでの撮影をはじめ、2013年にはFUJI ROCK FESTIVALや朝霧JAMといった大型フェスの撮影も担当するなど活躍の場を広げている。またライブや音楽イベントのみならず、風景やポートレートなど幅広く撮影中。