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音楽性じゃなくて、人で組んだメンツですね

――バンド自体は、最初からツインボーカルで始まったんですか。

ほりうまそうですね。

――それは、何かきっかけがあったんですか。

シバタ 俺にとって、ほりちゃんは憧れの先輩だったんですよね。歌もいいし、ギターも弾けるし。憧れすぎて同じシェイプのギターを買ったくらい(笑)。それくらい憧れの人だったから、バンドを組めるとは思っていませんでしたね。サヨナラの最終回の前に別のバンドを組んでたんですけど、上手くいかなくって弾き語りをやってたんです。そうしたら、ほりちゃんから「俺とバンドやんない?」って言われて。僕のこと誘ったよね?

ほりうま誘った。生協で誘った(笑)。

シバタまじ? って言った気がするもん。なんで僕を誘ったのよ(笑)。

ほりうま俺もサヨナラの最終回にたどり着くまでに、たくさんバンドを組んできたんですよね。そのなかで、やっぱり肝心なのはセンスとかじゃなくて、人間味だなぁと思って。バンドマンとか後輩とか関係なく、人として好きだったんですよ。シバタのこと。それで「就職する?」って聞いたら「しない。」って言ったから、もっと好きになってバンドに入れました(笑)。

シバタ「お前は就職しないと思うし、たとえ就職してもろくな職につけない。たとえ良い企業に入社したとしても、お前は仕事のセンスがないから、たぶん仕事はできない。だから、俺と一緒にバンドをするしかない!」ってマインドコントロールされました(笑)。「たしかに、俺には未来がない!」って妙に納得しちゃいましたね。

サヨナラの最終回

諸泉俺も同じようなことを言われました。「就職する?」「しない。」「バンドやろう」って言われて「やる。」終わり(笑)。

ほりうま諸泉は、頭いいんすよ。

シバタ頭脳派がひとりほしかったんですよね。会計とかできるやつ必要じゃないですか。

――北斗くんは、どんな感じですか。

シバタドラム叩ける運転手いないかなぁ、って(笑)。コイツを誘うときがいちばん悩みましたね。北斗はなー、絶対にほりちゃんと喧嘩するもん、と思って。今でもしょっちゅう喧嘩してるんすよ(笑)。

ほりうま喧嘩はするんですけど、喧嘩したままなのは好きじゃないんですよ。だから最終的に、じゃんけんです(笑)。負けたほうが謝る。

シバタ友達伝いに聞いた話によると、北斗はサヨサイに入る気満々だったらしいですけどね(笑)。いいな、と思ってたんでしょ?

北斗羨ましいな、って思ってたよ(笑)。

シバタ音楽性じゃなくて、人で組んだメンツですね、絶対に。

隣にいたいんですよね。上からでもなく、下からでもなく

――<弱い立場の人に寄り添う歌詞>という印象があるのですが、何か意識されていることはありますか。

ほりうま人柄じゃないですかね。サヨサイは強いやついないし、何かで1位をとってるやつもいない。

シバタ僕は、メンバーみんな負け組だなって思ってます。就活しないし(笑)。タイプが違う負け組が4人集まってるっていう感じがしますね。ほりちゃんは、カースト上位における最低カーストってタイプ。逆に僕は下カーストのトップみたいな(笑)。なんなら下の下だった時もありますよ。そういう同じような境遇の人たちと共感したいんですよね。鬱屈したものが絶対にあるから。そういう人たちに対するというか、自分の歌ばっかり出てきちゃうというか。自分の歌を書いてて出来上がったのが『すべての人に花束を』っていうアルバムです。そういう人たちに花束を、っていうことで。負の共感型にしようっていうコンセプトですね。

――では、自分たちと同じような立場の人に共感してもらえる歌詞を目指しているということですか?

シバタそれがいいなぁと思ってます。それをより洗練させていきたいですね。よりマイナスな共感とか。僕もほりちゃんもネガティブなことを歌ってるんですけど、最終的にはプラスなことを言ってる気がします。

ほりうまいつも歌詞は下から上に向かって書いてるんすよ。今は下かもしれないけど、俺たちは上を向いて進む。現状維持の歌詞はあんまりないですね。最初は苦しんでいるけど、最後は解決するとか。それを楽曲に反映させるのも好きですね。最初はマイナーコードだけど、最後は同じリフでメジャーコードになるとか。そうやっていい感じに反映させています。あくまで歌詞があって、それをなぞる音があって、初めて曲だと思っているので。

――「俺たちは底辺から這い上がっていくから、お前たちも大丈夫だよ」といったタイプの共感ですか?

シバタんー、僕は違うんですよね。僕の人間論になるんですけど、例えば悲しんでいる人がいて「大丈夫だよ。」って言ってもそれで解決することってないと思うんです。自分の答えって自分の中にあるじゃないですか。それを「うん、そうだね」って聞いてあげることで片付くことってあると思うんです。何も言ってないけど、最終的には片付くというか。助言とか共感の「わかる、わかる」っていうのもあるんですけど、要は「僕はこういうやつだよ。絶対にあんたのことを裏切らないような過去を持っているやつがいるよ。だから安心していいよ」っていうことを、もっと歌にしたいと思ってます。

――なにも助言しないけど、支えにはなるよ、みたいな感じですね。

シバタ隣にいたいんですよね。下からでもなく、上からでもなく。僕が作る曲は、そういうのが多いです。「サブカルウォーカー」とか「LOSTBLUE」とか。昔のことばっかり歌ってますね。ほりちゃんは未来のことばっかり歌ってますけど。

――過去と未来でふたりが見てる世界が違うのは面白いですね。

シバタ「モノクロの街」とか未来の話も回想もするので、ふたりの歌だなって思います。

ほりうまたしかにそうだね。俺も「弱者の人を助けたい」って感じではないです。元気をあげたいとか、勇気をあげたいっていうのはあるんですよ。でも、その人の一生を支えられる一枚は作れないと思ってて。だから、落ち込んだ時にいろんな音楽を聞き漁る中でサヨサイを聞いて「今日は悪いことばっかりだったけど、明日はいいことありそうかも」って思ってもらえたらいいんですよね。「よし、次はthe band apart聴こう」みたいな感じでいいんです。生きていく中で、「間(ま)」ってあるじゃないですか。一瞬ふとラーメンが食べたくなるんだけど、やっぱやめたみたいな。俺たちは、その間になれればいいのかなって。一瞬を助けることはできるんですけど、一生不幸なことを助けることは、たぶんできないんですよね。

――サヨサイの歌詞って、すごく優しいですよね。誰かを攻撃するような歌詞もないし、妬みも僻みもない。「見返してやるぞ!」っていう刺激が全くない。

シバタ僕らが落ち込んだままだったら、そういう攻撃的な歌詞になっていたかもしれないですね。僕らが本当に鬱屈した段階からバンド始めたら、そうだったかもしれない。だけど僕ら4人になって、けっこう楽しいんですよ。もうパリピ羨ましくないないなっていう(笑)。思いません?僕ら世界でいちばん楽しいでしょ、いま。

ほりうま遠征に行く時も遠征っていうより遠足って感じだもんね(笑)。

シバタ僕らは僕らで楽しいから、誰かを傷つける必要がないんですよ。とげが必要ない。あと、人を嫌いにならないです。どんな人でも絶対に諦めないんですよね。どんなにいじめてくる奴に対しても、どんなに攻撃してくる奴にたいしても、諦めて反撃するっていう思考回路がないんすよ。だから、そういうとげのある言葉は出てこないかな。こいつもう一生だめ、二度と信じない。っていうことは、ないです。それは歌でもないし、実際の私生活でもないですね。

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坂井 彩花
  • 坂井 彩花
元楽器屋のお姉さんの経験を持つ音楽ライター。感情に働きかける文章が得意。中高で吹奏楽部、大学で軽音楽部に所属していた典型的な音楽だいすきっ子。積極的にいろいろなライブに出向いてはライブレポート等を書いている。