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メンバー構成、曲の構成、どれをとっても「変則」。なのにまるで映画を観ているかのようにスウっと体のなかに入ってくる心地良いサウンド。MUSQISを形容するには短い言葉では難しい……そこでなんとハードコアの重鎮、killieの伊藤ヒロタツがMUSQISのリーダー野口英律に対談形式で直撃ロングインタビュー!

[メンバー] 野口英律(ドラム / ダブ処理 / マニュピレート)
[取材・文] 伊藤ヒロタツ(killie)
[写真] Manabu Morookaxxx024xxxMana Suzuki

MUSQISとは「ほかにやることなくなっちゃったし気付いたらMUSQISがメインの活動になっていた」

――10月7日(水)に『Idiot / Feeding / Chain』を発売予定とのことですが、MUSQISというバンドを知らない方々のためにメンバーの構成とお名前を聞かせていただけたらと思います。

不定形でメンバーが流動的なバンドなんですけど、レコーディングに参加したメンバーは……。

ドラム、ダブ処理、マニュピレート:野口英津
ソプラノサックス、クラリネット:安藤裕子(mooons)
ベース:tsubatics(suthpire / kikimoras / Kiyasu Orchestra)
トランペット:石川寧(渋さ知らズ / Secret Colors)
キーボード:武田理沙(Secret Colors / etc)
ギター:澤本元(Half Moon Make Love)
ギター:アライカズヒロ(itoi)
ギター:安西”BxAxNxZxAxI”哲哉 (pocketlife / はなし / HANZI BAND / Genius P.J’s / etc)
ギター:カメオカサツキ(ymss)
パーカス:石原雄治(liiil)
短波ラジオ:直江実樹(実ズ)

――ギターそんなにいっぱいいんの?

あと僕もギターちょっと弾いてるんですよ。全曲に全員てわけじゃない。

――短波ラジオって何? AMラジオとかFMラジオとかの音をそのまま流すの?

とか、ちょっとオシレーターっぽく使ったりしてノイズ的なのとか。

――全員で何人? 曲によりメンバーが違う?

基本的には8人で、石原くんと直江さんとカメオカさんは1曲だけ。

――ギターこんなにいる?

ギターじゃなくてもいいんですけどね。スケジュールと曲を理解しているかどうかとか。ちょっとだけ弾いてるとか、1フレーズをずっと弾いてるとか、役割が決まって弾いてる感じ。

――ライブ演奏するときってどうするの?

大変なんですよね。

――参加できないメンバーがいるときはどうするの? たとえば管楽器がいなくてギターだけのときとか。

管楽器がいないときはキーボードで補ったりとか。曲の骨組みになるフレーズはほかの楽器に置き換えたりとか。うまいことやってますね。

――「レコーディングとライブは別」みたいな考え方?

そうですね。ライブなんか曲の大枠は決まってるけど半分即興なんで、(フレーズの繰り返しの)回数とかは合図出したりするのも多いですね。それをレコーディングすることになって、どうレコーディングしようかっていうことで(レコーディングの練習のために)スタジオ入って各々役割を見つけて今回の音源の形になったという感じです。

――MUSQISを結成したのはいつ?

名前を決めてなかったんで結成がよくわかんないんですけど、おそらく2009年くらいからやってると思うんですよね。前のバンドでギターボーカルやってたから、弾き語りとかソロで「ライブ出ない?」ってオファーを受けるんですけど、弾き語りはやりたくなくて、でも”野口英律”っていう枠でやろうってメンバーを集めてライブをやってきた結果、気付いたら大所帯になっていた。6年くらいやってることになるんですけど、メンバーらしいメンバーという感じで固まってきたのはここ2年くらいですね。

――ほかにも参加してる人がいたっていうこと?

いっぱい。

最初からいるメンバーは澤本元(ギター)と安藤裕子(ソプラノサックス)だけかな。あとは全員変わっちゃった。活動方針が合わなかったりして、やっぱりフットワークの軽い人が残ってますね。

――じゃあ今回のレコーディングも、参加してほしいけど参加しなかったメンバーがいるんだね?

いますね。石川さんは元々たまに吹いてくれていたんですけど、フットワークが軽い人なんで「吹いてください!」ってこちらからオファーしました。

――大所帯のバンドって組んだことないからわからないんだけど、音がかぶりすぎてキツイこととかないの?

あるでしょうね。曲の場面によっては「ここはぶっ込めるな」と思ったらファズ踏んでずばーっと音の隙間を積極的に埋めるような感じでもいいんですけど、基本的にはレコーディングでアレンジを詰めて役割を分担していった結果、パートによって曲のなかで音を弾かない休みの部分も多くなってます。自分で曲作っといてドラムを叩かないとかいうこともけっこうあります。

――曲はどうやって作ってるの?

基本は宅録ですね。自分のほしい音をどんどん入れていって、再現性とかまったく考えずに作ってますね。

――でもレコーディングやるとなるとその場で「やっぱりサックスの音ほしい」とかあるんでしょ?

そうですね。今回は無理してクラリネットも吹いてもらったから、「運指が違って難しい」って(笑)。

――宅録で作るデモは100%完成の状態でバンドに持ってくるの?

100%はないですけど、7~80%くらいは完成させてます。遊びを作ってるのもあるんですけど、単純にドラムを打ち込むのは面倒くさいから、デモの段階ではドラムを入れてなかったりとか、最終的な作品とは別の仕上がりになってますね。再現できない変な楽器のプラグイン、たとえばトイピアノとか琴とかメロトロンなんかも使ってます。

――実際のレコーディングのときはどうしてるの? ほかの楽器に置き換えたりとか?

そうですね。トイピアノくらいなら調達できるんですけど、ハーディーガーディーとかだと手に入らない。ギターとかエフェクターとかでうまいことやったり。

――デモを再現するつもりはないんだ?

宅録で作ったデモの音の質感を汲み取ってもらえれば、楽器はなんでもいいんです。無理して慣れない楽器を使ってもたぶんおいしくないと思うんです、みんな。

――宅録の精度をあげてリリースするつもりはないんだ?

なくはないですけど。

――やっぱりライブだったり肉体的なことにこだわりがあるの?

そうっすね、一発録りしたいっす。こないだMATMOSのライブ観たんですけど、Ableton Liveとかその場でサンプリングしながらいじってて、DAWを使うのもフィジカルなほうが面白いなって思ったんですね。グルーヴ感というか、カチっとしてない感じ。ノリがタイトなのとカチっとしてるのは差があって、カチっとしてるのはあんまり好きじゃないんですよ。CLARKとかクオンタイズしてるんでしょうけど有機的な感じがしますね。Gonjasufiとかあの辺の人も。

――じゃあMUSQIS自体が野口英津のソロみたいな感じで考えちゃっていいのかな?

そうですね。でも最近そうでもなくて、曲に関しては9割俺が作るんですけど、企画とかバンドの運営をまわしていくのはみんなでちょっとずつやってますね。

――なんか絶妙だね。野口がリーダーで曲も作ってるんだけど参加してる人が肉付けしていくうちに、「俺もこのバンドで面白いことできそうだ」みたいな感じなのかな? そういう活動形態って偶発的に出来上がったの?

最初はライブを断らないようにしようと思って、メンバーを増やしていって、ある程度人数がいればライブができる。っていうスタイルだったんだけど、作る曲が小難しいからみんなでスタジオ入って確認しなきゃいけないことが前よりも多くて。最近はそれだとできない曲が多くて考えたりはするんですけど、できなさそうだったらしょうがないからライブを断ったりしますね。人数いないとかっこつかない曲とかあるんすよ。

――最初から展開とかキメとかフレージングとか決めて作ってたの?

ライブをやっていくうちに決まったものもあるし、デモでほぼ決まってるものもあって曲によってまちまち。「Feeding Chain」は昔からやってて、もともとは展開とかあんまりなくてジャムセッションしてるだけの長いクラウトロック的でちょっとサイケな感じの曲だったはずなんすけど、曲のレパートリーが増えていくにつれてライブの25分とか30分の持ち時間のなかで「曲をいっぱいやろう」ってなったときに3曲やるとライブが終わっちゃうんで、コンパクトにするアレンジとか展開をつけて現在の構成になった。最初は3曲で30分やってたのを、5曲で30分やるために“じゃあ「Feeding Chain」は短くできるね”みたいな感じでだんだん短くなっていった。

――面白いね。コンパクトに仕上げることを目標とするようなバンドの考え方からすると、工程が逆な感じがするね。

制作の工程も曲によってばらばらで、今回レコーディングした「Idiot Cop」は始めからコンパクトに作ってますね。もともとMUSQIS用に作った曲ではないんですが。

――MUSQIS以外にはバンドやってるの? 課外活動というか。

今はWINDOWZでベース弾いてますね。あとはひとりでMUSQIS SOLOとか即興とかやってます。MUSQIS自体が課外活動として始めたバンドなんです。「Idiot Cop」は別のハードコアっぽいバンド用に作ったんです。ギターボーカルをやっていたバンドが軸となる活動で、よりきれいでフリーキーな感じの音楽をMUSQISでやって、ゴリッとしたハードコアっぽいバンドをEdgar K.C.っていう名前でやってたんですよ。最終的に両方の課外活動で得たものを軸のバンドに還元しようっていうつもりだったんですけど解散しちゃった。それでボツになった曲をMUSQISで使ったりとか。ほかにやることなくなっちゃったし気付いたらMUSQISがメインの活動になっていた。あと今は諸事情で活動してないんだけどサックスの安藤裕子がリーダーのmooonsっていうバンドでベースを弾いてます。

※mooonsメンバーはほかにMUSQISに在籍している松井修司(Dr / 星のひつじ)と永田健太郎(Gt / Tabletop Guitars)の4人。

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伊藤ヒロタツ
  • 伊藤ヒロタツ
国内激情系ハードコアの代表格バンド「killie」の構成員。