MENU

スマートフォンの普及、撮影機材・編集ソフト入手のハードル低下などで、リスナーにとってもアーティストにとっても格段に身近なものとなったミュージックビデオ(MV)。もはや音楽活動を開始して間もないアーティストでも、何かしらMVと呼ぶものを制作することはごく当たり前となった。しかし昨今、その内容や演出の画一化が一部で指摘されてきていることは知る方も多いはず。何故そのような問題が起きているのか。そこからの脱却はいかにして為せるのか。そこから導き出せる「良いMV」の定義とは何か——。監督を務めたMVや大手企業CM映像がテレビ等で続々オンエアされ、今注目を集めつつある若手映像クリエイター・YMP FILM氏に話を聞いた。

[メンバー] YMP FILM
[取材・文] よっしー
[写真] キク

岡崎体育「MUSIC VIDEO」が示した、MVの画一化とチームとしての戦い方

――さっきLINEしてた相手の方ってもしかして…。

YMPはい、寿司くんです。聞いておきましたよ。

――「映像が音楽を喰ってしまってなくて、最後まで飽きずにみられるやつ」……なるほど。

YMP答えはこれです。今日はこれにて。

――いやいや(笑)。寿司くんって同業者としてはどういう印象ですか? ぶっちゃけた話。

YMPそうですね、まあ岡崎体育作ってるから。「MUSIC VIDEO」。文句とかないですよ(笑)。

――MVの内容・演出が画一化していることを揶揄する衝撃的な内容でしたね。あれって同業者として危機感あったりはしましたか?

YMPそういうのはなくて、すごく感動しました。MVの1つの「節目」になりましたね。アート的だった。よくアートは問題を提起する、デザインはそれを解決するものだと言われるんですけど、あれは今までの映像作品の見え方を変えてしまうという意味で、他の作品とは違ってアートだった。

――なるほど。危機感はなくとも、新たな問題を提起した点は興味深いと。

YMPはい。あとMV制作をチームとして行う戦い方で、一気に有名になった点も。

――MV制作をチームとして行う……?

YMPバンドが音楽だけを作る、映像クリエイターが映像だけを作るんじゃなくて、クリエイティブ全体をチームとして1から一緒に作るってこと。あのMVは楽曲の段階から映像の方向がある程度できていた結果だったと思います。

――なるほど。今後はそれが求められていくと。

YMPいや、求められていくというか。映像に興味がない音楽ファンやすべてのミュージシャンがそんなものを具体的に要求していくわけはなくて。ただクリエイターである以上、今までになかった新しいものを作って、人々の潜在的な欲求を喚起していけるべき。それ以降、参照されていくものを生み出していくべき。だから「MUSIC VIDEO」は新しい戦い方の例を示したという点で興味深かった。有名すぎる話で、Appleが誰も欲しいと考えたことがなかったiPhoneを発表して、みんなが「それいいじゃん」ってなった話に近いんですかね。……寿司くんさんはそういうこと考えて作ってないと思いますけど(笑)。

1 2 3

この記事が気に入ったら
いいね!お願いします

最新情報をお届けします

TwitterでDiggityをフォローお願いします!

  • ツイートする!
  • ブックマークする!
  • シェアする!
よっしー
  • よっしー
1995年 大阪府出身。幼少期から音楽とITに浸かり育つ。現在は音楽関係のメディア・Webサービスに編集等で参加、個人でブログを運営する他、インタビューやライブレポート等の執筆も行う。