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11月21日(土)、渋谷TSUTAYA O-CrestではHEREワンマンライブ“まったなし!!横綱は俺だ!!~ロックスター土俵入り~”が行われた。バンTに着替え駆け足で会場へ向かうオーディエンス、さらに受付では観客一人ひとりに“ペンライト”と、「みんなでHEREのワンマンを盛り上げましょう!」と書かれたライトの使用法についての紙が配布。その光景からはライブ前とは思えないほどの興奮と熱気だけでなく、一体感すらも感じることができた。

いよいよ開演時間になり、SEをかき消してしまうほどの大きな歓声と手拍子でむかえられたHERE。「MANをZIしてROCKSTAR」では一曲目とはいえ、容赦ない勢いで全員がフロントに立ち並び鋭い目つきと凄まじい音圧を観客に注ぐ。「クレスト~!!」とデスボイスで叫ぶ尾形回帰(Vo)に続けて「死ぬくらい大好き愛してるバカみたい」、「解放エクスペリエンス」と無限に溢れる彼らの熱量に圧倒されてしまったのか、オーディエンスはつい黙ってしまう……わけがない。拳を天井高くまで突き上げては、ヘドバンで乱れる髪の毛はおかまいなし。フロアから一斉に点滅する“ペンライト”はとにかく色鮮やかで、HEREの5人の派手な衣装に対抗するかのごとく眩しく光り輝いていた。

「日本ロック界の番狂わせ、HEREです! 番狂わせには何が必要? そう、座布団だ!」と放たれたのは11月4日にリリースされたEPのリード曲「はっきよい」。演奏が始まると同時に尾形がフロアに向けて座布団を投げまくるという突然のイベントに、観客はさらなる盛り上がりをみせた。夏祭りを彷彿させる「ああYEAHもうYEAH」のイントロと、熱気で夏場のように蒸しあがるO-Crestに、厚手の服装のままライブに挑んだ人は後悔したであろう。カマキリの恋模様を歌った「さらばカマキリ夫人」、アンサーソングにあたる「私に溶けてしまえばいい」を続けて投下。ジャケットを脱ぎ捨てた尾形の、汗でくたっとよれたYシャツからはどれだけの熱気が会場を包みこんでいるのかがよくうかがえる。MCでは「びっくりしました、そのペンライト! 誰が用意したんですか?! みんなエビ中のお客さんだと思いました。派手にしようと思って座布団用意したんだけど地味だったね……」と冗談交じりのMCに、束の間の休息と癒しの空間が広がった。「久々に歌う曲を」と一言添えて奏でたのは「遺伝子のバラード」。ドッと身体にのしかかる爆発的な音圧は骨までも震わす振動だ。

HEREワンマン恒例のメンバー紹介では、尾形の幼稚園からの幼馴染、武田将幸(Gt)が「最高か? 最高か?」とオーディエンスを煽り続け、スーパーサポートベーシスト壱(Ba)は「基本的に頭禿げてるし、基本的に無口だし、基本的に無愛想だけど、フレンドリーなので!」と慣れたトークに「やけにうまいなぁ(笑)」と感心する尾形とのやりとりに笑いが起きる。“悪魔に魂を売った三橋”と紹介された三橋隼人(Gt)は「音で語るよ」と一言添えて痺れるギターソロを掻き鳴らし続けた。

「彼、これから歌いますよ」と宮野大介(Dr)、同時に特別サポートドラムにHISTGRAMの安達裕之(Dr/Cho)が登場。そしてそのまま宮野をボーカルに、ドラムを安達にむかえた「愛のマスター」が披露された。尾形のドープな歌声とは真逆に、高く鳴り響く宮野の歌声がフロアに広がる。

「後半戦です。がっつりいきますよ!」と蛍光カラーのジャケットにバラ柄のシャツに衣装替えをした尾形がステージに現れ投下したのは「CHAOTIC SYMPATHY」。後半戦とは思えないアドレナリンが溢れ、じっとりと混じり合うステージとフロアはまさに“混沌共鳴”状態。突き刺さる鋭いギターストロークが響く「アナモルフォーシス」、「メカニックマミ」では隙を与えないバスドラムに合わせて頭を振りまくるオーディエンス。ロックンロールなサウンドを展開する「COME ON!!」で紙吹雪を投げ散らす尾形。後半戦も一切の呼吸も許されない勢いだ。

立ち止まることを知らないHEREは「アモーレアモーレ」を展開し、“めちゃくちゃヤバいことしたくなる”と身の毛のよだつフレーズを叫んだあと、フロアタムを担いだ尾形がフロアへおり、オーディエンスに容赦なく激しい手拍子を求めた。更にはフロアタムを頭上に担がせ、肩車をさせる尾形。フロアの中心でドラムロールをさく裂し、合わせてステージ上で乱闘に見えるほどの激しいパフォーマンスを披露する姿には、HEREの底のないポテンシャルに恐怖を覚えた。

ライブ終盤にいくにつれて拡大する熱気の渦。「最後の3曲にロックを全て置いてくので、ギュッと抱きしめてください」と放ったあとに、お互いに一歩も引かない武田と三橋のギターソロが中毒的な「HAMPAねえな」、「PASSION」では座布団・紙吹きに続き風船を撒き“WE ARE THE PASSION”と歌い叫び大きく揺れるO-Crestに、人間の限界値の記録更新を確信した。最後には「感情超常現象」を投げ込み、一曲目よりも勢いあるアドレナリンでフロントに乗り出し睨み付けるHEREの姿があり、一切の妥協も許さない、本物の“完全燃焼”を目の当たりにした気がした。「またロックしよう」と一言伝え、溢れんばかりの熱量を残しステージを去って行った。

HEREのギラついたメイクと衣装だけでなく、鮮やかな光彩を放つペンライト、サイン入り座布団、紙吹雪、色形様々な風船と、盛りだくさん過ぎるパフォーマンスはライブの楽しみ方を何通りにも増やしてくれた。ステージからもフロアからも凄まじいボルテージでぶつかり合う両者の共存は、狂気と華麗が入り混じる、唯一無二の空間であった。

Photo by 爆裂写真家 高畠正人

Diggityでは、HERE尾形回帰のインタビューを公開中。「自分たちがCDをリリースする意味を見いだしたかった」、そう語る彼が目指すバンド像とは……?

HERE - インタビュー / 『はっきよい.ep』HERE – インタビュー / 『はっきよい.ep』

HERE / 「はっきよい」

リリース情報

『はっきよい.ep』
NOW ON SALE
¥1,500(税込)

[収録曲]
01. はっきよい
02. ああYEAHもうYEAH
03. くらいやがれ
~ボーナストラック~
04. CHAOTIC SYMPATHY
05. アナモルフォーシス
06. 絡みつくような愛をくれてやる
07. 絶望をブッ飛ばせ
08. COME ON
09. HAMPAねえな
10. メカニックマミ
11. 煩悩OH NO!!
12. アモーレアモーレ
13. 死ぬくらい大好き愛してるバカみたい
14. ゾッコンROCK ON
15. 感情超常現象

イベント情報

2015.12.13(日)
愛知・名古屋CLUB ROCK’N’ROLL
(レコ発イベント)
2015.12.18(金)
神奈川・横浜BAYSIS
“BAYSIS PRESENTS ~THANKS 2015~”
2015.12.23(水・祝)
大阪・福島LIVE SQUARE 2nd LINE
(レコ発イベント)
2015.12.31(木)
東京・渋谷TSUTAYA O-WEST
2016.01.10(日)
愛知・名古屋
“ミソフェス 2016”

2016.02.22(月)
東京・赤坂BLITZ
“HOT STUFF presents ダイスをころがせ 4”
※尾形回帰、武田将幸、宮野大介の前身バンド「インビシブルマンズデスベッド」が西井慶太(Ba)を迎えオリジナルメンバーで出演。HEREの出演はありません。

関連リンク

HERE公式サイト
HERE公式Twitter

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本木美奈
  • 本木美奈
94年生まれ。通称もっきー。音楽ライター。脚本勉強中。「音楽」と「ドラマ」と「犬」をこよなく愛しています。