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10月2日(土)、東京・渋谷MilkyWayでは“午後五時・密会・渋谷にて”と称されたROCK DJ集団ピストル・ディスコ主催、出演者完全シークレットの3ヶ月連続企画が行われた。開場時間まで出演アーティストが一切公開されていないという予測不能な一夜であるにも関わらず、フロアにはたくさんの人々が集い当日券を求める列ができたりと、かなりの賑わいをみせていた。

HERE

トップバッターは激しいSEと共に登場したHEREの4人。薔薇柄のYシャツに黄緑色のジャケットを身にまとった尾形回帰(Vo)をはじめ、鮮やかな衣装と気迫のある彼らの存在感に、演奏開始前からオーディエンスはただただ圧倒されていた。

初めてHEREを観る人はどんな音を奏でてくるのか様子を伺うなか、一曲目の「PASSION」からかなり攻めの姿勢でかかってきたHERE。衣装やメイクからヴィジュアル系バンドを予想するも、メタルな一面やダンスロックな一面も含む彼らのサウンドに、オーディエンスは心を奪われていった。勢いは止まることなく「CHAOTIC SYMPATHY」、「はっきよい」が続き、フロアの熱気は増すばかり。

宮野大介(Dr)の力強いバスドラムに合わせて全力でヘッドバンキングをする女性の姿には驚きの反面、美しさを感じるほどだった。「感情長常現象」でメンバー全員がフロントに立ち並び、それぞれの音を渾身の意を込めて真剣に奏でる姿は、一瞬時間が止まって見えるほどインパクトのある光景だった。挑発的なスタイルで暴力的なサウンドを奏でながらもオーディエンスを一人残さず巻き込んでいくライブパフォーマンスは、最高の密会の幕開けを確信させてくれた。

マキト

次に登場したのは本日の企画主催、ピストル・ディスコからマキトのDJタイムだ。ピンク色に統一された衣装とピンク色のPCが全てを物語っているのか「真っ赤なカーチェイス/BRADIO」と、かなりスイートな曲をチョイス。HEREとのギャップに初めは戸惑うオーディエンスであったが、DJマキトのサウンドさばきで、どんどん会場に一体感を与えていく。「きらりいろ/LUNKHEAD」では、回るミラーボールと揺れ踊るオーディエンスの姿が最高にマッチしていた。後半にかけて「無重力少年/phatmans after school」、「夜明けのビート/フジファブリック」とアップテンポな曲をプレイし、高揚したムードを保ったまま次のアーティストへバトンを渡した。

坂口喜咲(ex.HAPPY BIRTHDAY)

次のステージには、きらきらと輝くカチューシャを身に付けた坂口喜咲(ex.HAPPY BIRTHDAY)が現れた。一曲目の「やくたたず」から、小柄で可愛らしいルックスからは想像もできないような力強い歌声と表情の切り替わりに衝撃を受けるオーディエンスであったが、気がつけば坂口喜咲の奏でる音にそれぞれ身を任せていた。

「壊れたサマー」では一曲目とはがらりと雰囲気を変え、「壊れた体を洗う朝」の歌詞に乗せたとにかく切ない、とにかく優しい歌声が身体に染みこんでいった。「今日は私の友達、あざらしのピーピーと一緒に歌います」と、ピーピーとの会話を曲にした「いかげそ」で、会場全体に癒しの空間をもたらした。そんな優しい時間も束の間、怪しげなメロディで始まった「ミーはでくのぼう」では畳み掛ける迫力満点なラップを披露し、最後の「こんいろ」ではフロアの中心で大の字に倒れながらも、まっすぐな言葉運びで歌い続けていた。

日常に散りばめられた当たり前すぎる日常を手にとって、音楽に乗せて表情や身振り手振りと全身で表現をする彼女のライブパフォーマンスは、ひとつの“舞台”を観ているような感覚だった。

クロマティーゆうや

「ありふれる/誰かの思い出」を会場に振り下ろしたのは、ピストルディスコ代表のDJクロマティーゆうやだ。坂口喜咲の残した余韻を保ちながらも、少しずつムードチェンジをしていく選曲が非常に心地いい。前半は「リコールミー/CICADA」や「music/三浦大地」とゆったりとしたサウンドを展開。「グダグダパーティー/思い出野郎」で男臭くセクシーな演出をしたあとに「17歳の気だるい一日/空きっ腹に酒」をプレイし、若者の弾けた印象との差が面白く印象的な曲順だった。「どうしても流したい曲がある」と一言放ち「知らない誰か/sumika」をチョイス。後半からは徐々にロックンロールな曲調へとシフトしていった。ラスト2曲には「No.13/ELLEGARDEN」、「ロストワールド/ELLEGARDEN」と続け、しっかりと会場を盛り上げた。

Tequeolo Caliqueolo

クロマティーゆうやのDJタイムを引き継ぐかのようにアップテンポなSEで登場したのはTequeolo Caliqueoloの5人だ。一曲目の「gossip boys」からメンバー全員はエンジン全開。こんなにもレーザービームの照明が似合うバンドは観たことがないというほどの、勢いあるシンセサウンドが会場に降り注いでいた。

「INVADERS」では、イントロから暴れ倒すオーディエンス。扇谷真澄(Vo/Syn)はフロアへ飛び込みサークルの真ん中で飛び跳ねながら熱唱し、率先して会場を熱気の渦へと巻き込んでいく。ダンスロック全開のなか、「J-POP」ではドラム、キーボード、ベース、ギターと少しずつ音が重なり合っていくサウンドがどこかムーディで少しエロティックにも感じられた。「今日は誰が出演するのかわからないシークレットライブなのに来てくれた君達は最高にロックだ。俺たちについてきてくれたら絶対に後悔させない」と力強いまなざしで語る扇谷のMCのあと、「Whammy」では裏切らないサビでの熱量をみせつけ、それに応えるように踊り倒すオーディエンスの姿が印象的だった。

博士

DJブースには左目にスカウタ―を装着し、白衣を身にまとったDJ博士が登場。どんな選曲をするのか想像もできない彼のターンからはクラブミュージックへと生まれ変わった「アンビリーバーズ/米津玄師」、「歌舞伎町の女王/椎名林檎」が投下され、会場はさっそく絶頂の盛り上がりに。「traveling/宇多田ヒカル」ではオーディエンスに負けないくらいのテンションでDJ博士が体を前へ乗り出し、「MAYBE/group_inou」では曲に合わせて“けん玉”を取り出し技を披露。終盤にかけては「いいから/WANNIMA」、「A-Han!/感覚ピエロ」で会場をダンスフロアへと移り変えていった。

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本木美奈
  • 本木美奈
94年生まれ。通称もっきー。音楽ライター。脚本勉強中。「音楽」と「ドラマ」と「犬」をこよなく愛しています。